内容説明
1940年、日米の緊張が高まる中、民間主導による異例の日米和平交渉が始まろうとしていた。だが、その背後ではスターリン、ヒトラーをも手玉にとったイギリスMI6の敏腕謀報部員が暗躍していた。なぜ、この交渉にイギリスが深く関与しているのか。アメリカに渡った文書謀報のスペシャリスト、天城康介と江崎泰平は、独自の謀報活動を始めるが…。日本を破滅へと追い込んだ謀略戦を克明に描破したノンフィクション・ノベル。
著者等紹介
西木正明[ニシキマサアキ]
1940年秋田県生まれ。早稲田大学教育学部中退。出版社の雑誌編集を経て、作家活動に入り、80年『オホーツク謀報船』でデビュー。『ルーズベルトの刺客』『標的』など綿密な取材に基づくノンフィクション・ノベルを多数発表。80年『オホーツク謀報船』で日本ノンフィクション賞新人賞、88年『凍れる瞳』「端島の女」で直木賞、95年『夢幻の山旅』で新田次郎文学賞、2000年『夢顔さんによろしく』で柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ehirano1
94
本書は結論から始まり、酷い結末を既に知っている者としてはなんだか読むのが辛くなるのですが、如何に我ら日本が破滅へ突き進んでいったかをカウンターインテリジェンスから描かれている大変興味深い内容でした。英国が考えた交渉決裂ありきの作戦が恐ろし過ぎます。こんなの見破れる人いるかなぁ?あっ、魔王結城大佐(ジョーカーゲーム、柳広司)なら・・・・。2020/10/11
フク
6
kindle ★★★★☆ FDRを覚えたのでどうにかして使いたい * エコノミスト。知ってる人だろうか。2019/03/21
フンフン
3
ノンフィクション小説を得意とする作者だが、本書の主人公と副主人公、江崎泰平と天城康介は架空の人物である。どこがノンフィクションでどこがフィクションなのか、そんなことはどうでもよくなるような緊迫した諜報戦が描かれる。2017/06/05
koba23
1
第二次世界大戦の謀略を描いた本。本の厚さに驚いたが内容はなかなかおもしろくどんどん進む。後半が楽しみ。2012/08/06
T.K.
1
太平洋戦争に至るまでの謀略戦を克明に描破したノンフィクション・ノベル、とのこと。 主人公以外の主要登場人物とその行動は、ある程度史実に基いているらしいので、 歴史の断片を結んでくれるストーリー構成は、「確かにそういうこともあったかもしれない」と思わせる。 当然だが、上巻は人物とその背景の設定に記述の大半が使われているので、そうそう上手く巡り合わせが機能するのかといった感じも残るが、あらゆる機会を利用する英国インテリジェンスの影を設定している面白さがある。2011/09/18