角川文庫
ゴッホ―日本の夢に懸けた芸術家

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  • サイズ 文庫判/ページ数 204p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784043943791
  • NDC分類 723.359
  • Cコード C0171

内容説明

ゴッホ研究の第一者である著者が、初めて初心者向けに書き下ろした濃密な入門書登場!必ず押さえておきたいゴッホの代表作をカラーで紹介し、その絵の魅力と描かれた背景、そして彼自身と彼を支えた人々の想いを、ゴッホの多くの資料を繙きながら詳しくかつ簡潔に解説。さまざまな伝説が一人歩きするゴッホだが、本当は何を見て、何を感じ、何を表現しようとしていたのか…。彼の気持ちもじっくり味わえる永久保存版の1冊。

目次

第1章 オランダ時代―愛に飢えた修業者(味しみ;ジャガイモを食べる人たち ほか)
第2章 パリ時代―豊穣なる混沌の一幕(アニエールのレストラン;広重模写亀戸の梅 ほか)
第3章 アルル時代―夢への逃避行「日本」色のユートピア(ラングロワの橋;種まく人 ほか)
第4章 サン=レミ時代―迫りくる悪魔たち(星月夜;アーモンドの花咲く枝 ほか)
第5章 オーヴェール=シュル=オワーズ―切れた糸(ガシェ博士の肖像;オーヴェールの教会 ほか)

著者等紹介

圀府寺司[コウデラツカサ]
1957年大阪府生まれ。大阪大学文学研究科(美術史、アート・メディア論)教授。大阪大学文学部卒(西洋美術史)。81‐88年アムステルダム大学美術史研究所留学。文学博士号を取得。博士論文でオランダ・エラスムス財団よりエラスムス研究賞受賞。広島大学総合科学部助教授を経て、現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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いたろう

61
ゴッホの絵と手紙の引用で辿るゴッホの生涯。オランダ→パリ→アルル→サン=レミ→オーヴェール=シュル=オワーズ、ゴッホの生涯については、多くのところで語られているため、今更、新しく思えるところはあまりないが、時代を区切って、その時代時代に描かれた絵画が、ゴッホの手紙を引用しながら説明されているため、ゴッホの絵画を、改めて、ゴッホの生涯と結びつけて見ることができて良かった。文庫なのにカラーが多いのは嬉しいところ。文庫なので、絵が小さいのは致し方ないが、あともう少し位、絵画を載せてくれたら、もっと良かったのに。2021/12/29

五十嵐文人

7
オランダ時代からオーヴェールまで、時代ごとに章立てされていて非常に読みやすい。900通近い書簡が残っているゴッホは、その人生を簡単に理解できそうだが、この本では謎は謎として、事実は可能性を含めて考察しているから、著者の変な主張もないのが良い。個人的にはアルル時代から晩年までのゴッホが好きで、文章だとだとより一層哀しみが伝わってきた。《種まく人》《星月夜》なんかは見方が大きく変わったな。入門書として最適。2021/12/03

星空の挑戦者

6
オランダ時代は売春婦と同棲したり暗い絵だったが1887年パリ時代からは日本を憧れの地とし広重の浮世絵を徹底的に模写。この頃から黄色を使った明るい絵画が頻繁に登場。青色と対称的な黄色の色づかいは浮世絵の影響なのか。ユートピアとしていた日本と南仏、画家はその想像力からエキゾチックな日本を素晴らしい楽園としていたのか。パリ万博とジャポニズムと日本人の印象派好みは時を越えて密接につながっている。2010/10/17

ジュンジュン

3
結びの言葉~「文庫本は、静かに育ててきた大切なものを白い旅客機に乗せて送り出す感じがする。夏の真っ青な空に輝きながら飛んでいく飛行機が小さな点になるまで見送るのは、とても清々しく、少しだけ悲しい」。多くのゴッホ本を物する著者の情感ある入門書。著者はいう。ゴッホが今もなお生き続けられるのは、才能でも自殺でもない。保管された膨大な手紙だ。そこからその思いも作品意図も読み取る事ができると。おかげで、ゴッホが身近に感じられる。それだけに、後世に書簡集を遺したヨー(義妹)の想いを思うとせつない。2019/11/28

T66

3
美術館に行く前の予習として。絵はカラーがいいなあ。言葉だけ聞いたことのある「耳切り事件」がわかったのと、浮世絵のために日本に興味津津だったことがわかったのが収穫。図書館本2016/10/31

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