内容説明
問題は突如として送られてきた葉佳岸子の手紙である。「ボルガの舟歌」を録音した夜、あなたの話した、あなたの秘密は録音されていたのよ―。つまりは、俺がこの１５年間、思い出してはくよくよ気に病んでいたあのことを、もしかしたらあの夜、俺は話したかも知れず、それをネタに岸子は俺を脅迫しているのか？俺、南進して、たどりついたのは…。濃密な写真とスリリングな小説が交錯する、新体験の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
meg
12
荒木経惟の写真がインパクトありすぎて町田康の文章が入ってこない。またこれが快感的だったりするのだからおもしろい。表紙すき。2023/12/17
三柴ゆよし
9
マーチダとアラーキーのコラボ。町田康の小説を読んだのはけっこう久しぶりな気がするけど、この人、場末の腐ったような雰囲気を描くのが、やっぱ絶妙に上手い。もはやおぼろげな過去の記憶に追い・追われる悪夢の旅。過去と現在、虚構と現実がリンクしながらも閉塞感に満ちた世界は、野坂昭如的な異形の文体とも相俟って、相当におそろしい。『パンク侍』、『告白』、『宿屋めぐり』みたいな、ガツン！ とくる感じとはまた違った、なんともいえぬ鬼気を孕んだ作品。おもしろい。2010/09/27
エリ本
8
小説と写真で相乗効果が生まれて、すごくすてきな作品に仕上がっている。だけども、荒木経惟さんだから女性のオールヌードの写真が何枚も、、。本開いてビックリ😰でもそれらがあるからこそ、剥き出しの欲望渦巻く風俗店の濃密な空気間がより強く感じられたのかもしれない。ハ～驚いた😰2021/01/29
あび
7
町田康さんはイケメンですよね。今はもうだいぶおじいちゃんになってきましたが。2018/05/15
ちゃありぃ
7
アラーキー×町田康。良い意味で、ごちゃ混ぜ。って、おれ、つぶやいて。2013/09/24
