内容説明
「おれは、おまえの球を捕るためにいるんだ。ずっとそうすると決めたんじゃ。何があってもそうするって…本気で決めたのに」天才スラッガー、門脇のいる横手二中との再試合に向け、動きはじめる巧と豪。バッテリーはいまだにぎこちないが、豪との関わりを通じて、巧にも変化が表れつつあって―。横手の幼なじみバッテリーを描いた、文庫だけの書き下ろし短編「THE OTHER BATTERY」収録。
著者等紹介
あさのあつこ[アサノアツコ]
1954年岡山県に生まれる。青山学院大学文学部卒業。『バッテリー』(教育画劇)で野間児童文芸賞、『バッテリー2』で日本児童文学者協会賞、『バッテリー1~6』で小学館児童出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
169
再試合に向けて、各々に試練が訪れます。各々の「想い」、「思い」、「重い」は何かに導かれるように顕在化していきます。そして、再試合まで待っていられない、そんな気持ちにブレーキをかけるように「想い」、「思い」、「重い」はやがて激しく交錯し、何かを生み出して行きます。そんな光景を中学生らしく描いた著者にはホントに脱帽です。あと一巻でラストかぁ・・・なんか寂しいな。2020/07/23
再び読書
108
やっとバッテリーが機能してきだした。これからが本番だが、よく考えると長い道のりのようだが、以外と退屈なく読み進めた。お互いを理解することが出来、大人の目線では不思議に思われる説明のしようが無い苛立ちが、振り返ってみると理解できる。単に野球漫画では描ききれない心の葛藤をうまく描ききれている。またとりまく人々キャラもたち、面白くなってきました。青波、洋三、真紀子、広、オトムライ、東谷、沢口、吉貞、海音寺、門脇、瑞垣との絡みも楽しめた。2012/12/11
ALATA
98
豪にそっぽを向かれ途方に暮れる巧。ここにきてバッテリーの呼吸が大きく乱れる。母が入院し,青波の無邪気なコトバにもいらだつ。「野球は一人ではできない、もっと考えんと」洋三じいちゃんの思いは届くのか。すこしずつ巧の心が融けていく・・・話がなかなか進まなくて私もちょっとイライラ★3※横手の再試合をたくらむ海音寺と瑞垣、二人の会話は大人びていて苦笑。彼女が出来て冷やかし半分の東谷、吉貞くんが青春しててよかったな。2024/01/21
ehirano1
86
『・・・いいチームにしたいんじゃ。勝ち負けとか強い弱いだけじゃなくて、なんかこのチームでよかったなみたいな・・・』。これは奇麗ごと。負け続けるチームで「なんかこのチームでよかったな」はないですよ、私の経験では。負け続けると負け癖がつきます、そしてチームは厭世観しか残らなくなります。ではどうするか?を改めて考えさせられました。2022/12/22
りゅう☆
85
横手二中の瑞垣っていいヤツなのかなんなのか。聡明だけど人を見下してる感が出てるのであまり好きにはなれないな。横手との再試合に向け、やっとバッテリー復活。だけどどうにもぎこちない。豪って穏やかで広い目を持ってるというイメージだけど、まだ中2だもんね。ひねくれもの巧の全てを素直に受け止めて腰を据えるって難しいよね。でも完璧投球の巧にもちょっとした異変が?豪が青波にブロークンハートした時は可哀想だったけど、ちょっとホッコリ。いよいよvs横手二中との再試合が近付いてきた。門脇リベンジなるか?バッテリー完全復活か?2023/05/20