出版社内容情報
義経が疾る源平争乱
源平の争乱に彗星の如く登場した義経は、一の谷から壇ノ浦まで平家勢を追い詰めてゆく。武運尽き、ついに滅亡を迎えた平家。しかしそこには、後白河法皇の千古不易の思想が秘められていた。
内容説明
源平の争乱に彗星の如く登場した義経。頼朝の先鋒として、前に上洛した木曽義仲を討ち、ついで勢力を盛り返した平家と雌雄を決すべく、一ノ谷から壇ノ浦まで、鬼神のごとき戦ぶりを展開する。義経の前に武運尽き、ついに滅亡の秋を迎えた平家。しかしそこには、清盛最大の政敵にして最高の理解者・後白河法皇の、恩讐を超えた千古不易の思想が秘められていた。著者渾身の大作、堂々完結。
著者等紹介
池宮彰一郎[イケミヤショウイチロウ]
1923年東京都生まれ。静岡県沼津市に育つ。軍隊生活ののち映画の脚本家として独立。92年『四十七人の刺客』で小説家としてデビュー、93年同作品で新田次郎文学賞を受賞
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感想・レビュー
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金吾
27
最終巻は言いたいことはわかりますが、話のラインからはずれてきたようなや感じました。また平家というよりも義経という印象になりました。偶然『義経愚将論』という本を読んだばかりなので同じ人物でも描き方の違いが鮮明で面白かったです。2022/08/07
TheWho
11
前巻で清盛が没し、いよいよ平家の滅亡と義経の活躍から破滅へと展開する。通説とは違い清盛の偉業を継ぐ英雄として、英邁で緻密な義経像が、平家と同様に無常観を誘われた。本物語は、平清盛を古代から中世への時代の寵児としてだけではなく、現代にも繋がる国際的でかつテクノクラートであり、豊かな国民性を持つ現代日本を形成に寄与し、切っ掛けを作った天才として語られいる。栄枯盛衰の平家物語の中に古代から中世そして現代迄も包括した壮大な歴史絵巻でした。そして壇ノ浦後に資盛、有盛、行盛の奄美に落延びた伝説を信じたくなる作品です。2015/04/07
BIN
6
最終巻。清盛亡き後の情けない平家視点で描かれることをほんの少し期待して読みましたが、後白河法皇が清盛の後継者候補として目をつけた源義経をメインとした普通の源平合戦でした。時折、清盛を追想し敬慕する姿が垣間見えるだけでした。4巻は蛇足みたいな印象しか持ちませんでしたが、清盛を藤原政治を打破し改革をなそうとした孤独な英雄として描かれた良い作品でした。敗者である平家の棟梁清盛を否定してきた評価に対する反動か源頼朝を必要以上に痛罵している作品です。頼朝嫌いには痛快ですw2019/02/22
Izutan
2
清盛の人生と、その後の平家滅亡を描くことで、作者が徹底した官僚批判を言いたいのだなということは、よくわかった。しかし、やはり、清盛に重点を置いていた作品だけあって、その死後を描く4巻は、だいぶ、盛り上がりに欠けるし、色々とつっこみどころも多い。2017/10/22
駿ばぱ
2
シリーズ4巻。やっとこさ読み終わったって感じ。しかし清盛の志の後継者が義経?まぁ、平安時代の政治から抜け出せない時代感覚の無いという点では、確かに同じ穴のむじなのような気がするけど。。。どっちにしろ小説だし、過去の真実は誰にもわからない。2012/05/26