角川文庫<br> その日の吉良上野介

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角川文庫
その日の吉良上野介

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  • サイズ 文庫判/ページ数 278p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784043687053
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

浅野の刃傷沙汰から二年足らず、収賄の噂により役職を解かれた吉良は、隠居にあたって別れの茶会を準備していた。茶器を手にした吉良の脳裡に、ふとその日の光景が蘇る。事件当日の朝、天下の名器・交趾の大亀を前にした浅野のひどく思いつめた表情が…。赤穂事件最大の謎とされる刃傷の真因を巧みな心理描写で解き明かす表題作ほか、人情の機微を濃やかに描き、鮮やかな余韻を残す五篇の忠臣蔵異聞。

著者等紹介

池宮彰一郎[イケミヤショウイチロウ]
1923年東京都生まれ。静岡県沼津市に育つ。軍隊生活ののち映画の脚本家として独立。92年『四十七人の刺客』で小説家としてデビュー、93年同作品で新田次郎文学賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アッキ@道央民

49
『忠臣蔵』に関わった人達を題材にした短編集。本来映画やドラマで知られるお話しとは違ってこんな切り口のお話しもまた良いかもしれないな。大石内蔵助が好色だったり、一風変わった人物描写も面白いと思う・・・。どちらにしろ、キレ者だった事には違いないんだろうけど。表題作では討ち入り前日の吉良上野介が家臣に心情を打ち明ける。悪役のイメージ強い上野介だけど、互いのちょっとした誤解から命を狙われる身になってしまったり、ちょっと気の毒にさえ思えてしまいます。ひょっとしたらこれが歴史の真実なのかもしれないね〜。2016/12/07

如水

35
同著者『四十七人の刺客』の亜流見たいな物…と言うのは『四十七人の刺客』は刃傷沙汰が起こった後をスポットとしてるので何故起こったのか?は関係無し❗️…て『えっ!』と思う(史実では今も尚謎のまま?)まんま話が終わるので、そんな謎の答えを一応著者は導き出してます、と言う内容と他4篇の短篇集。読めば史実の浅野内匠頭の人物像、赤穂藩と吉良家の実状等が分かります。それでもねぇ…『この間の遺恨』→『覚え無し』っていつか解明する日は来るんでしょうか??内匠頭の性格からすると…封建主義の『闇』ですね、ある意味では?2018/10/14

20
ラジオ文芸館が面白かったので、図書館から借りた本です。面白かったです。忠臣蔵って少ししか知らなくて、浅野内匠頭は清廉で、吉良上野介は悪者のイメージがありました。でもこの作品では、浅野内匠頭はキレやすくて吝嗇に描かれていて、新しい視点を知りました。表題作では、内匠頭と上野介の間の誤解が切なかったです。読みやすい本でした。吉良上野介と浅野内匠頭のイメージが変わった面もありました。2015/12/26

BIN

12
忠臣蔵短編集。千馬三郎兵衛はまさに武士。浅野内匠頭と相性悪く放免されるも正式な解雇前に浅野が切腹したので赤穂藩士として仇討ちに参加した義の人。大石内蔵助が惚れるのもわかる。どの短編も面白いし読みやすい。吉良より浅野のほうが圧倒的に小物だなあ。それにしても内蔵助の度量の大きさは半端なさすぎる。忠臣蔵が好きな人はぜひ読んでもらいたい。2016/08/04

moonanddai

10
池宮彰一郎の解説を書いたことのある人間とこの間飲んだのですが、「例の」盗作事件の話になりました。公式には「疲れていたので…」みたいなことになっていますが、その小説司馬遼太郎も(生前)読んでいたそうです。ある意味「司馬史観」と通じるところがあったためだったのでしょう。(表現自体のことはありますが…、)残念な事件でした。この一連の「赤穂事件」の物語、「四十七士の~」以来久しぶりですが、何か納得させられるものがあります。2017/11/19

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