角川文庫<br> 眞説 光クラブ事件―戦後金融犯罪の真実と闇

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角川文庫
眞説 光クラブ事件―戦後金融犯罪の真実と闇

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  • サイズ 文庫判/ページ数 331p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784043556045
  • NDC分類 916
  • Cコード C0195

内容説明

終戦直後の混乱期。若槻礼次郎以来の天才と称された東大生・山崎晃嗣は、ヤミ金融会社「光クラブ」を設立し時代の寵児となるが、わずか27歳で服毒自殺する。後に三島由紀夫、高木彬光らが小説のモデルとし、アプレゲールの典型といわれた山崎は、なぜ死ななければならなかったのか。昭和史研究の第一人者が徹底取材し、その死後60年にして明らかにした山崎の真実の姿とは。戦後金融犯罪の謎に迫る。

目次

プロローグ
第1章 能面が崩壊したとき
第2章 伏せられた怒りの軌跡
第3章 「聖」と「俗」への復讐
第4章 ヤミ金融帝王の錯覚
第5章 ある時代が生んだ幻影
エピローグ
補章 山崎晃嗣と三島由紀夫、ふたりの生きた時代

著者等紹介

保阪正康[ホサカマサヤス]
ノンフィクション作家。評論家。1939年12月、北海道生まれ。同志社大学文学部卒業後、出版社勤務を経て著術活動に入る。近現代史(特に昭和史)の事象、事件、人物を中心にした作品や医学・医療を検証する著作を発表するほか、「昭和史を語り継ぐ会」を主宰、『昭和史講座』を年2回刊行している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かめぴ

10
衝撃。これを「ライチ☆光クラブ」と同一視していた・・無知にもほどがある。犯罪実話物は読む方だが、これを何故に知らなかったのか、と思うほどの内容。東大の中で浮いた二人が山崎と三島とか、ネガティブパズルがカチッと嵌まったような空間に慄く。山崎の闇のような思考に、気質ってあるよな・・なんて事を悲しく思いつつ読了。中村倫也くん繋がりで。。2019/05/06

inokori

5
一時のライブドア事件の堀江貴文と山崎晃嗣を共通性で報道しようとしていたメディアに対する違和感は著者と同じだったのだが,これを読むと逆にこれまでと違って堀江と山崎の共通性の方が強く感じられたのが不思議.両者の心性の近さ,少年っぽさが似ていると思えるのだ.思春期の延長線上の中で,取り憑かれたかのように事業に明け暮れていた頃の両者の感情は似ていたのかも,と思われた.「ライブドア事件と光クラブ事件は似たようなもの」と思っている人には,両者の差異が際だって感じられるかも.2009/12/20

さくらこ

4
三島由紀夫『青の時代』で「光クラブ事件」に興味を持って。確かに三島自身も言うように『青の時代』は小説としてはイマイチなのかもしれない。しかしこの本を読んで「光クラブ事件」を、山崎をかなり克明に描いていることを知り驚いた。読んでいて確かにホリエモンを思い起こした。筆者はホリエモンには「戦争」体験はなく、山崎とは違うというが、ホリエモンも「時代」の影響を受けていると思う…。2012/09/28

Ikuto Nagura

2
アプレゲール犯罪の典型としての山崎晃嗣像に疑問を投げかける。「国家は最高の悪である。虚偽は最大の善である」戦争と軍隊経験から、それまでの価値観を否定した生き方は、同時代の若者らしい。「山崎君は復讐をしたと思っている。誰に?父親であったり、軍隊時代の上官であったり、あるいは学問そのものにかもしれない」その方法が、なぜ高利貸しだったかは、本書を読んでも謎のまま。それよりも、三島由紀夫が、大学で山崎と深い交流を持ったのか興味深い。自らの死の演出に共通項を感じる。「死んだ自分のあり方が、永久の自分のあり方になる」2014/10/13

midnightbluesky

1
ヤマザキ某、あまりカリスマ性のないところなど、昨今のITバブルに躍った人々に似ている。2010/01/12

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