出版社内容情報
北陸の一都市を震撼させた幼女殺害事件。ある中学生の逮捕によって事件は解決したかにみえたが、検事・有本祥子はその被疑少年を取り調べるうちにふとした疑問にぶつかり、再び事件を洗い直し始める。
内容説明
満月の夜は死人が出る。だから、怖くて外を歩けない。―中学生が書いた詩の一節には、事件の核心に触れる重要な意味が秘められていた!北陸の一都市を震撼させた幼女殺害事件。一人の中学生の逮捕によって、事件は一気に解決したかにみえた。しかし、金沢地検に赴任したばかりの検事・有本祥子は、その被疑少年を取り調べていくうちに、ふとした疑問にぶつかり、再び事件を洗い直し始める…。検察庁の機構や制度、少年刑事事件の手続きなど、読み応えある情報量と臨場感溢れる筆致で綴った、傑作リーガル・サスペンス。
著者等紹介
松木麗[マツキレイ]
1955年広島市生まれ。神戸大学卒業。検事として15年間勤務の後、’98年参議院議員に。’92年「恋文」で第12回横溝正史賞受賞。その他の著書に「告発捜査」、本名・佐々木知子で「日本の司法文化」など
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
薬師寺 五郎
1
刑事責任年齢が刑法では14歳のところが戦後制定された少年法で16歳に歪められたまま現在に至り、制定当時の世情と情報化社会の現状では余りにも乖離が大きく事件は凶悪化の一途。この現状を悪用する輩も少なからずいて、筆者の検事時代の苦悩がよく分かる。少年法改正の動きも出てきてはいるが全く追いついていない。甘えの構造が社会の随所に蔓延る現状を憂い、警鐘を鳴らす一作である。2015/07/14
bondo
1
少年法の入門書って感じです。犯人探し等の観点から読むと大変ツマラナイものです。検事さんがあまりにも現実離れしているのが小説の良いところです?2012/01/03
朱音
1
読んだのを忘れてまた借りてしまったので再読。2009/02/07
朱音
1
5歳の少女を殺害したとして補導されたのは15歳の少年…最近のドキュメンタリーみたいだが(悲しいことだが)これは97年に出された小説である(脱稿の4ヵ月後にサカキバラ事件があったそうだ…)主人公が警察官でなく、女性検事というところは(山村美紗の小説にもあったけど)いい感じ。刑事さんよりもじっくり取り組める、という気がする。事件の真相、というのが読んでいるうちにわかってきてしまうところは難点かもしれないけれど、面白く読めた。2003/11/21