角川文庫<br> 宮沢賢治の青春―“ただ一人の友”保阪嘉内をめぐって

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角川文庫
宮沢賢治の青春―“ただ一人の友”保阪嘉内をめぐって

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  • サイズ 文庫判/ページ数 306p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784043433018
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0195

内容説明

「私が友保阪嘉内、私が友保阪嘉内、我を棄てるな」と賢治に言わしめた盛岡高等農林学校時代のただ一人の友、保阪嘉内。才気煥発、明朗闊達な彼に強く魅かれ、大きな影響を受ける賢治。が、二人の交流は賢治の国柱会への傾倒をめぐって変化し、やがて訣別してしまう。『銀河鉄道の夜』をはじめとする厖大な作品群の成り立ちと実生活の謎の数々を、二人の友愛を裏づける多くの資料をもとに解き明かす、画期的かつ衝撃的な賢治研究の新成果。

目次

第1章 賢治と保阪嘉内の出会い
第2章 友愛のステージ『アザリア』
第3章 激しく揺れた手紙の青春
第4章 訣別のあとで
第5章 『春と修羅』の中に生きる保阪嘉内
第6章 教師から農民へ
第7章 晩年
第8章 『銀河鉄道の夜』は誰のために書かれたのか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

マエダ

64
宮沢賢治氏どうこうというよりも複雑な時代背景が面白い。2019/04/13

ネギっ子gen

48
【賢治自らが「迷いのあと」と語った膨大な作品こそ、決別した一人の友「私が保阪嘉内」へ、賢治が送り続けたメッセージ】友の存在が賢治の生涯を左右し作品を書かせた、と賢治文学を解く鍵として「保阪嘉内」に焦点を当てた書。<数多くの人がとりあげ、語り尽くしたかに見えた賢治の生涯も「ただひとりの友」保阪嘉内の存在を縦糸にして織り込んでみると、今まで極めて不鮮明であった模様――表現したかった部分――がくっきりと浮き彫りにされ、賢治の迷いと悩みの37年の生涯が、その息遣いとともに鮮やかに迫ってくるのを否定できない>と。⇒2024/04/12

ゆう

24
「読書する人だけがたどり着ける場所」(齋藤孝)を読んで、1テーマ5冊読むを実践してみてます。まずは宮沢賢治関連本を5冊読もうと本書を手に取りましたが、思いがけず自分の青春の青さや、「いたたまれなくてわーっとなっちゃう感じ」を呼び起こされる読書体験となりました。本書は賢治と、その学校時代の親友保阪嘉内との出会いから決別、その後の賢治の作品への結晶化までを詳細に論じた本です。その論じ方が的確であるために、読者は己の青春体験を顧みることに。研究書でありながら、秀逸な青春文学?読み物?としても成立してると思う。2019/04/10

❁Lei❁

21
賢治作品の理解に有効そうな本を探していてこの本を見つけ、購入。今まで、妹の死が作品に色濃く反映されているという解釈ばかりを目にしてきたから、親友との関係を掘り下げていき、そこから賢治作品を見ていくのは新鮮でした。この本で一番驚いたのは、賢治とその親友との大まかな関係を記した最初の数ページを読んだだけで、「銀河鉄道の夜」の謎だったところの意味がなんとなく分かり、スッと腑に落ちたところです。まさに目から鱗。賢治作品の鍵は唯一無二の親友が握っていたのですね。この本は、賢治作品をより理解したい方におすすめです。2016/11/15

gtn

19
賢治の親友保阪嘉内に対する恋慕はなんとなく理解できる。二人は盛岡高等農林学校自啓寮の同室。閉鎖された狭い社会である。その後、保阪に対する思慕の入り混じった法華経の折伏が続くが、保阪から今の生活に満足している旨の便りが届き、がっかりする賢治がいる。本末転倒だがその心理も分からぬでもない。結果的に保阪も離れ、妹のトシも亡くなり、自分の信仰を見つめ直して苦悶する賢治。たった一人で信仰を貫くことがいかに困難かが分かる。2018/10/27

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