内容説明
愛と記憶から始まる甘美なエロティシズムへの誘い。一見豊かな風景が内蔵するこの国の神経症的な不安と脆さ。メディアと戦争の鵺のような共犯関係への指摘―ジャーナリストとして作家として、まったく独自の歩みをする著者の四半世紀にわたる全ジャンル表現の中から、節目になった文芸作品、発言、評論など計85編を収録。ラディカルで豊饒な辺見庸文学の鮮やかな足跡と刻印。巻末に書き下ろし最新原稿を収録。
目次
手の幻想
靄
木立のなかで
躑躅の男
王同志
自殺志願者と私
覗き癖
遠き幻聴
蜘蛛賭け
光る花〔ほか〕
著者等紹介
辺見庸[ヘンミヨウ]
作家。1944年、宮城県生まれ。早稲田大学文学部卒。70年、共同通信社入社。北京特派員、ハノイ支局長、編集委員などを経て96年、退社。この間、78年、中国報道で日本新聞協会賞、91年、『自動起床装置』で芥川賞、94年、『もの食う人びと』で講談社ノンフィクション賞受賞
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