内容説明
アメリカの歴史心理学者リフトン博士、スペインの代表的作家ゴイティソーロそして旧ユーゴ出身の天才映画監督クストリッツァ。著者は、彼らと絶対的価値の喪失、カルト宗教、ボスニア紛争、死の諸相、マスメディアの病理、新時代を生き抜く思想などについて語り合い、しるべなき時代の不安の正体を探り、21世紀社会を展望する。大好評だった番組「NHK・ETV特集」をもとに再構成、新編を加えた、今、最も根源的なドキュメントである。本文庫のために書き下ろした卓抜、過激なメディア論「不安の球根…」は7章に収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
武井 康則
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「いまや宗教は、貧しい人々のビタミン剤といえるかもしれない」これらの貧しい人々は、経済的な繁栄への道を閉ざされ、文化的な生活からもとり残され、仕事にありつくことさえできずにいて、自らのアイデンティティを保つために、なにか行動を起こさなければならないと考えています。明らかに宗教は、これらの人々の心の拠り所となっています。しかし、それがゆきすぎてしまうと、いまや世界の各地で見られるような、宗教への度を超えた忠誠心へとつながっていくこともあり、いたるところで民族紛争が高まりを見せるようになったのです。本文から。2017/08/21
i-O
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おもろ2009/03/07
七や
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オウム事件やボスニア紛争辺りの事件を中心に。メディア論とか。この時代の不安の正体は何かを探って行く対談集…実は95年の本なのでもう10年以上前の話なのですが、今にも十分通る話だなと。むしろ今の方がずっと酷い気は致しますが。丁度、知りたかったボスニア紛争辺りの話があったので参考になりました。中々あの辺りの話はニュースで見ても分からないので; 2008/08/01