角川文庫<br> 自殺死体の叫び

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角川文庫
自殺死体の叫び

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  • サイズ 文庫判/ページ数 202p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784043400065
  • NDC分類 145.7
  • Cコード C0195

内容説明

美しい森の中で大自然に帰るように死ぬ―という幻想が、人人を青木ヶ原に引き寄せる。しかし現実には、遺体を野ざらしにする死に方は、列車へ飛び込んだ轢死体と何ら変わりないむごい姿をさらす。変死体解剖三十四年の経験をもつ著者が、樹海で白骨化した死体の語る真実、首つり自殺の落とし穴、一酸化炭素中毒の恐怖、家族の苦渋など、自殺死体から読みとったメッセージを明かし、自殺大国となった日本の現状に警鐘を鳴らす。

目次

第1章 青木ヶ原樹海レポート(野ざらしの死体;年に一度の大捜索 ほか)
第2章 自殺死体の行く末(世紀末日本の自殺事情;変死体と監察医の関係 ほか)
第3章 自殺死体に残された悲痛メッセージ(一風変わった自殺方法;首吊り自殺の落とし穴 ほか)
第4章 自殺死体の声なき叫び(老人の自殺の真相;家庭のあり方 ほか)
第5章 「死者の名医」の条件(私が監察医になった理由;死者の名医 ほか)

著者等紹介

上野正彦[ウエノマサヒコ]
1929年茨城県生まれ。1954年東邦医科大学卒業後、日本大学医学部法医学教室に入る。1959年東京都監察医務院監察医となり、1984年同院長に就任。1989年退任後は法医学評論家として活躍
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

104
自殺死体がどのように発見され、検視、監察されるのか、青木ヶ原樹海レポートに始まり、昨今の自殺事情に関して綴られている。ただ、自殺を食い止めようなどという意図は見えず、終始淡々と法医学に関しての話が進められるので、読み手によっては疑問を感じる人もいるかもしれない。あくまでも冷静な客観視と理論と結果のみ。人の死に慣れてしまっている部分は否めない。でも遺族にとっては遺言以上のメッセージを残す場合もあって重要な役割を果たす分野。そういう意味では最後の「死者の名医」の条件はなかなか興味深かった。2013/05/10

kinkin

27
毎年3万人以上の自殺者がいるという。理由はそれぞれにあるが、毎日80人から90人が命を落としていることだ。自殺大国という不名誉なたとえがされている日本。これからも増加しそうな社会になりつつある。どうすれば自殺を減らせるのかを真剣に考える時期だと思った。また著者のような監察医が 各県に全ていないということが残念だ。監察医の仕事の大変さがよくわかった。2014/04/25

James Hayashi

22
自殺死体がメインで語られるが、先日読んだ「死体は語る」と被っている部分が多々ある。2020/05/25

GaGa

11
監察医の立ち場から遭遇した自殺遺体の惨めさを描写している。筆者は作中でいかに自殺が家族や他者に迷惑をかけるかを再三訴えているが、おそらく自殺を望むものはこのような本は読まないだろう。自殺の抑止にはやはり社会環境を正すことが必要であると思わされた。2010/06/17

ジョニジョニ

10
書名はコワイけど、内容は著者が前から書いていることがほとんどです。そんななか、文庫版あとがきの”自らの生命を絶つのであるから、若ければ若いほど体は死に抵抗する。だから自殺の手段はなんであれ、苦痛を伴うものである。安楽に死ねる方法はない”という一文はグッときました。楽に死ぬ時があるとしたら、それはきっと生きる力をなくした体になった時であって、死にたいと心が思った時ではない。2018/11/25

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