内容説明
人と平和をこよなく愛する、純粋無垢な女子大生キャンディ・クリスチャン。天から授かった美貌で、行く先々どこでも男が寄ってくる。教授も医者も叔父さんも偉大な教祖も、みんな一目で彼女の虜。誰もがキャンディとやりたいと奮闘し、あと一息のところでむざむざ敗退。いつの日かキャンディに平穏で幸せな愛の日は訪れるのか―？ポルノ小説か文学か、発禁騒動も巻き起こしたカリスマ脚本家テリー・サザーンの幻の傑作。
著者等紹介
サザーン，テリー［サザーン，テリー］［Ｓｏｕｔｈｅｒｎ，Ｔｅｒｒｙ］
１９２４年テキサスで、薬局の息子として生まれる。４３年軍隊に入り、戦後シカゴ大学、ノースウェスタン大学を経てパリ・ソルボンヌ大学へ。処女短篇を「パリ・レヴュー」に発表後、「プレイボーイ」「エスクァイア」などで書評・ルポなども執筆。処女長篇は『閃光と銀細工』（５８）。映画『博士の異常な愛情』『イージー・ライダー』などの脚本家としてもカルト的な人気を得た。１９９５年没
ホッフェンバーグ，メイソン［ホッフェンバーグ，メイソン］［Ｈｏｆｆｅｎｂｅｒｇ，Ｍａｓｏｎ］
１９２２‐１９６４。アメリカの詩人。オリンピア・プレスの寄稿家の一人で、１９４０年代後半にサザーンと知り合う。『キャンディ』以後は目立った活動をしていない（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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多田幾多
25
全く持って、悪意のないエロさと誘惑だ。キャンディは美しく魅力的だが、本人は純粋無垢な子。しかし彼女を中心に様々さな出来事が起き、あと少し！ってところでなにかハプニングが起こり、てんやわんやになって勝手に終わってしまう（主に男が自滅w）無垢なる美しさは罪なりや？もしくは勝手に欲情して勝手に自滅する男に罪ありや？2013/08/22
ndj.
12
たぶんこういうちょっとはずした本から一、二行ぽんと抜いてきて論文とか評論のエピグラフにするのが格好いいのだと思っていたらしい教授のせいで長年要読リストにあがっていた一冊。図書館で借りた。わりと破廉恥な本も平気で置いている素敵な図書館である。どうしようもなくエッチでおバカなスラップスティックなのにどうしてか深遠なものを読みとれそうな気がしてしまうのはおそらく教授のせいではない。2016/04/04
mejiro
9
エッチで明るくおバカなコメディ。登場人物が皆本能のままに行動してて楽しそう(？)。主人公キャンディが周囲に翻弄されながら行き着いた結末がまさにブラックユーモア。さすが、映画『博士の異常な愛情』の脚本家だ…となぜか納得してしまう。いや、納得しては駄目なんだけど。深い意味など考えず、文章を追うだけでもおもしろい。登場人物の欲望や行動が自然に見えて、バカバカしく笑えるのに感心する。 2018/04/05
しろ
9
☆６ とってもエッチなコメディだった。魅惑のルックスを持っているけど根は素直なキャンディが可愛い。キャンディは男に出会う度に体を求められる。そしてそれを受け入れるのだけど（下心や優越感や性欲のためではなく、求められたものは与えたい、立派な人が私を求めるのだから叶えさせてあげたい、という心情）、必ずその寸前でなにかハプニングが起こり、てんやわんやでうやむやになる。そこらへんが本当に面白い。発言や外見がどんなに立派な男でも結局下心は同じ、という風刺もきいている。作者は『博士の異常な愛情』の脚本家らしい。2011/09/20
Mark.jr
3
どういう話かといいますと、キャンディという名のカワイイ女の子に、周りの男性皆がメロメロになってしまうという話です。つまりアダルトビデオやr-18の漫画などに見られる独特かつ冷静に考えると無理だろみたいなシチュエーションを誇張戯画化しパロディに仕立て上げた作品と言えます。しかし、キャンディに言い寄る男性が揃いも揃ってオッサンばかりなのが、苦笑いがでるというか...。2022/08/18
