角川文庫<br> 日本の選択〈1〉理念なき外交「パリ講和会議」

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角川文庫
日本の選択〈1〉理念なき外交「パリ講和会議」

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  • サイズ 文庫判/ページ数 241p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041954034
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C0121

内容説明

日本は、国際社会でどの様に振る舞えばいいのか。この基本的な課題は、現在も問われつづけている。一九一九年、大戦後の世界秩序を決めるパリ講和会議。戦勝国として、初めて国際会議に登場した日本は、山東半島の権益の確保と人種差別撤廃の二つを主張した。米・英・仏の三大国に伍して、日本のねらいはどこにあったか。大国意識と劣等意識のはざまに揺れた日本人のドラマを描く。

目次

1 一等国ニッポンの登場
2 国際連盟へのためらい
3 サイレント・パートナー
4 一等国意識と劣等意識のはざまで

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェルナーの日記

108
本書は「パリ講和会議」ついて書かれた一書。パリ講和会議とは、1919年1月18日から開会され第一次世界大戦における連合国が中央同盟国の講和条件等について討議した会議のことで、日本が日清・日露戦争に勝利をおさめ、第一次世界大戦に列強国の一員として実質世界初めてデビューした公式場ともいえる。ただ植民地政策等の拡張主義が主流を占めていた。列強の国々は白人優越の国ばかりで、その中に将に色の違う日本が入っていた。2016/10/11

coolflat

16
「理念なき外交」とはよく言ったもので、日本外交のあざとさが見える。パリ講和会議においては、ドイツの戦後処理と同時に国際連盟設立に関する議論が行われたが、日本は国際連盟設立に関し、規約に「人種差別撤廃」を盛り込むよう要求した。当時、カリフォルニア州を中心に日系移民は差別を受けており、日系移民に限らず、黒人など全ての人種差別を撤廃すべきだというのが日本の主張だった。至極もっともな話だが、実はこれには裏があった。日本の真の狙いは、ドイツの山東権益で、人種問題は交渉を有利に導くためのカードに過ぎなかったのである。2016/12/05

てれまこし

2
あまり期待しないで読んだのだが、パリ講和会議での大国間の駆け引きがよくわかる良書であった。五大国の一つに数えられたとは言え、日本と欧米との距離は、物理的にも精神的にも遠いものがあった。「世界の潮流」とか「国際世論」なんてものを捉え、それに対して発言することがいかに難しいか。単に語学力だけの問題ではない。物理的な距離の問題は部分的に緩和されたが、精神的な側面ではそのまま今日の日本に残されている。外交のホンネとタテマエをうまく使い分けるには、日本はあまりにタテマエの部分を粗末に扱ってきた。その代償は大きい。2018/04/06

あさ

1
ノンフィクション(?)ものですが、フィクショナルな読み物として読むなら面白かった。2009/06/14

南新宿 WineBarW(ワインバー)

0
外交で一番重要な事は国益を守ること。それは当然なのですが、自国の権益に関係あることだけに口を出して、他の事はスルー、では国際社会での責任を果たしているとは言えないし、他国の代表からも軽蔑されて当然でしょう。第一次世界大戦を集結させ、国際連盟の結成を話し合うためのパリ講和会議で、日本の代表団がどう振る舞ったのか、綿密な取材の元に描かれていて、迫真のドキュメントになっています。この時代のことは自分自身、勉強不足なので今後も関連する本を読んでいきたいです。2018/09/21

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