角川文庫<br> 彼岸からの言葉

  • ポイントキャンペーン

角川文庫
彼岸からの言葉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 203p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041887011
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

こうして大人もまた「変なもの、奇妙なもの」が好きだ。好きなくせして、誰もがそれを、大人気ないものとして隠そうと努める。不合理なものとして排除しようと、それをどこか暗がりに押し込めようとする。その隠された「暗部」を私は「彼岸」と呼びたい気がするのだ。日常に点在する微妙なズレのツボをおさえた42の緻密な掌篇。

目次

「彼岸へ」ノート
雪の日に、爪を切りたがる人がいる
彼岸のゾーン
部屋の中がカンガルーくさい
他人の口のなかを毎日、見る
マッシュルームと燕尾服
私の身体は奥深く埋没し
「会ったことがある」と彼女は言う
葬儀の秩序
欝への契機
突風のような活躍
1本の赤い糸のようなもの
とうもろこしの種子をそっと
夏の初め、あるいは体重計
古関氏の肖像
彼岸・ロープ際の魔術師
「いましがた壺をこわしたもの」ノート
垂れて私たちは彼岸へと行く
言葉は水滴のように零れた
ドーナツさん
ぞんざいの思想
熱なんか、計るから上がる
地獄に落ちるのはいやだ
サウンド・オブ・ミュージック
暗く深い穴蔵のような
自己言及の罠は底が深い悲劇はさらに深い
思い出の「貧困」
今度、いつ会える?
退行への無意識
あの場所から声がする
「私はただ見ている」ノート
石を投げる
子供たちの視線
あめがふりそうだったが、ふらなかったのでくもりだった
セピアの庭でさえも
入ったものは必ず出る
百歳
悪い眼つきの犬はいない
ただ笑うしか、他に術はなかった
かん高い声の思想
走れ日本人
ひどすぎる
最終的にまったく怖くない怪談
余地を作る作業
世界は凡庸に時間を刻む