角川文庫<br> 白河夜船

角川文庫
白河夜船

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  • サイズ 文庫判/ページ数 183p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041800072
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

紅香@新刊購入まで積読消化あと4冊⭐︎

43
「夜」三部作。とりわけ胸に迫るのは、夜の帳を色濃く感じさせる『白河夜船』。意識のない妻。罪悪感を感じない為にその愛人の立ち位置を真っ暗闇の無に置いた。無意識が呪いとなり、眠りと死を誘うような設定がとても順当で、真っ当で美しいと感じた。男のズルさ、あざとさは微塵も感じない。目を閉じて、浅い眠りを貪って誤魔化していた。共犯。あの日々は危うい夜の果てだった。。しらじらと明けるひんやりとした空気感。こんなに納得できる美しい不倫の話は初めてで驚いている。『この世にあるすべての眠りが等しく安らかでありますように』2015/05/06

90ac

33
楽しい作品ではない。1、ヒロインの不倫相手の男の状況を考えるとこの男は好きになれないし、仕事もしないでただ男から誘われるのを待つだけのヒロインも好きになれないな。淋しさがこの恋を支えているというのは頷ける。2.兄のことで悩みその心の闇からの脱出に疲れた従姉を支えるヒロインが素敵です。3.男をめぐる三角関係で憎んでいるはずなのに心ではどこかその女を求めていたことに気付く、というのが面白いけど分かるような気もする。◇しかし登場人物の名前の変なのがどの作品にも居る。寺子・芝美・水男2015/08/25

エドワード

32
夜と眠りについての三つの物語。リアルな夢というものがある。目覚めた時の生々しさといったら無い。「ロマンティックな夜だわ」と歌ったのは中森明菜。「夜の夢こそまこと」と語ったのは江戸川乱歩。明菜や乱歩ほど妖しくないけれど、添い寝を仕事にしている友人を語る不思議な物語「白河夜船」。従姉に恋した兄を語る「夜と夜の旅人」。夜は<黄泉>の国に通じる「ある体験」。歳をとると眠りが浅くなるというのは本当だ。若い時は本当に深く眠れたなあ、と思う。人生の三分の一を占める眠りの時こそ魅惑のワンダーランドと説く名作だ。2015/04/07

妾狂い めいとく

15
淡々としたテンションなのに、強弱のつけ方がすごい。あと、表現や話の筋が結構好きです。2014/06/13

読み人知らず

15
眠りの世界。なんというか、うらやましくもあり、なんともかなしくもあり。静かで、深く、安らいだ世界。このタイトルがしっくりと来る。2014/04/16

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