角川文庫<br> アムリタ〈上〉

角川文庫
アムリタ〈上〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 286p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041800041
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

妹の自殺。そして頭を打って記憶を失い、自分を完全にとり戻せない私。二度、結婚している母、父親の違う弟、いそうろうの母の友人といとこの女性二人との奇妙な家族関係。そんな日々の生活の中に突然、訪れる変化。弟の不思議な力の目覚め、とまどい、苦悩。妹の恋人だった竜一郎との新たな出会い、そして恋。紫式部文学賞受賞。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

162
本作もおそらく20年の時を経ての再読です。自分の中では数あるばななさん作品の中でも、他の追随を許さない地位に位置する長篇作品です。とにかく文章が素晴らしすぎます。「紫式部文学賞」受賞作品も納得のクオリティで、他の作品もですが、どうしてこんなにも「優しさ」があふれでそうな文章を書くことができるのか、不思議でなりません。上巻なのに、その1文1文で全てが完成し、ある意味完結しているのかもしれません。読んでいて、ココロがキレイに洗われる感覚を体験できるのは、至福の時間であり、ばななさんならではの‘ワザ’です。2015/08/02

Gotoran

55
主人公は母と義弟と母の友人と従兄の5人の同居暮し。父と妹を亡くし、主人公は頭を打って記憶を喪失し、弟は不思議な力を手にする。上巻は、サイパン旅行の途中までが描かれる。家族の物語であり、記憶についての物語でもあり、恋愛についての物語でもある。また、夫々複雑な悩みを持った登場人物たちがお互いに癒し合う物語でもある。生と死という主題を底流にもち、平凡な日常生活の素晴らしさが、登場人物夫々の内面を深く掘り下げながら、丁寧にじっくりと描き出されている。ばななワールド。河合先生推奨図書。2017/04/24

だまだまこ

53
久しぶりの再読。不思議な家族構成で、弟は予言のような霊感のような不思議な感性を持ち、私は頭を打ったせいでまるで自分のものではないような自分へ違和感があり、亡くなった妹の彼氏と恋に落ちる。設定もスピリチュアルな価値観も、自分の生活とは程遠いはずなのに、確かにここにある物語としてしっくりくる。それが不思議で心地よい。私と弟、私と竜一郎が旅に出る姿が自由で、あぁ旅をしたいと思った。日頃忘れがちな、自分の心の声を聴くことや、頭と身体のバランスなんかを意識したくなった。2019/01/14

はらぺこ

47
スラスラと読めた。 下巻は未だ読んでないけど上巻だけで終わってても作品として成立してる気がする。2012/04/05

佐島楓

30
ごつごつとした会話文と、当たり前のことを当たり前でなくする感動屋さんの主人公を見ると、ばななさんの作品だな、と思う。下巻へ。2014/08/09

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/565048
  • ご注意事項