内容説明
窓際族という生活に折り合いをつけてきた哀川真也は、謎の美女・巨勢玲子との出会いで運命が一変する。哀川は玲子から誘われ、借金地獄に喘ぐ人やストーカー被害者などを救う組織「アネックス」に参加した。彼はその活動の中で生きることへの情熱を取り戻していく。だが、「アネックス」が某国からの亡命少女を匿ったことで事態は急変、哀川らは過酷な状況に陥っていくのだが―。人間の本質に深く踏み込んだ、傑作大河巨編。
著者等紹介
森村誠一[モリムラセイイチ]
1933年熊谷市生まれ。青山学院大学卒。10年に及ぶホテルマン生活を経て作家となる。江戸川乱歩賞・日本推理作家協会賞・角川小説賞・日本ミステリー文学大賞を受賞。推理小説の他、歴史小説・ドキュメントにも作風を広げている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shoji
53
エンターテイメントです。ありえないスケールのバイオレンスです。さえない男、女房に浮気されるし会社では窓際だし。男はふとした巡り会わせで、ある組織に所属します。そこから先の物語がとにかく荒唐無稽。マンガのような展開でした。一言で言えば、スタローンのランボーを彷彿させる展開です。ページをめくる手が止まりませんでした。面白おかしく楽しく読むことができました。2018/09/27
gutssuzuki
0
森村氏といえば野性の証明というベストセラーがありましたね。もう36、7年前です。手にとったこちらは、現代版仕事人って感じの話でした。窓際族のさえない中年が、いきなりそんな組織の一員になってしまうというのも荒唐無稽ですが、森村氏なのでスケールが大きいです。2014/09/21
VictorianVat
0
どこかで読んだのを忘れてまた買ってしまった本。 前回読んだ時も、松田優作が演じたら面白そうな展開になるかな。と思い出してあああ この本読んだ奴やってなってしまった。
SPICE
0
久々に森村作品を読んだ。最初が星新一風な不思議なテイストが意外で、中盤が『僕らの七日間戦争』なノリ。しかしそんな中でも森村テイストはしっかり描いてあり、流石森村誠一と唸る作品です。やっぱり凄い、森村誠一さん。2013/02/28
TsumuRi
0
平凡な落ちこぼれたちが非凡な女性に誘われて日常とは違う場所でささやかな人助け活動をしていたらなんとそこに国交のない独裁国家からの亡命者が現れ俄かに物騒な方向へ。ごりっとした戦いを描いた作品。土埃の舞う映像と油の匂いが浮かんだ。人間て完全な自由は持て余すくせに退屈を飼い慣らせないのかな。2010/09/16