出版社内容情報
支店長として大阪へ赴任した竹中は、「貸し剥がし」といわれる資金回収の現実に直面、個人の無力を痛感する。やがて上層部の対立に端を発した人事抗争は、銀行崩壊の危機を招き・・・。ミドルの感動を呼ぶ力作巨編。
内容説明
大阪梅田駅前支店長に転出した竹中治夫は、「貸し剥がし」とさえいわれる過酷な資金回収の現実に直面した。優良取引先からも強引に資金を引き上げる銀行の論理の前に、個人の無力を痛感する。やがて広報部長として本社に復帰した竹中を待っていたのは、激化する上層部の抗争だった。現実に危機感を覚え改革を目指す頭取側と、傍若無人に振る舞う旧勢力の前会長側の対立に、分裂の危機に陥った協立銀行。危機的状況を前に竹中たちミドルが立ち上がる!果たして銀行は再生できるのか?金融界の現実を圧倒的な迫力で描いた衝撃の力作長編。
著者等紹介
高杉良[タカスギリョウ]
作家。1939年生まれ
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
289
「君のえくぼに乾杯!」などといって調子に乗ってるうちに、部下に愛想を尽かされ、内部告発からの異動を喰らっても、懲りずに不倫のために休日は色々なところへ飛び回る主人公竹中。部下をストーカー化させてしまった一因であるとの罪悪感は皆無で、他人には正論述べ放題と、株を下げる一方。支店に出されて、貸し剥がしの現実に触れるも、具体例を一件描いただけで、即座に本社へカムバック。もはや不倫に決着をつける理由づけくらいの意味しか為していない。後はひたすら頭取VS相談役のお家騒動。結局最後まで下世話話だったが、面白かった。2020/10/30
キムトモ
58
電)自分の属している組織じゃ〜こんな人事騒動はないなぁ〜お取引した銀行の方々はこんな人事されてんじゃろか⁉︎が感想…世の中に対する銀行の立ち振る舞いのお話ではなく、自行の派閥による組織浄化のお話でした…主人公竹中の不倫、地方転勤、本部復帰からの頭取指名のための汗かき…こんなんで金融組織の再建話でいいんだろうか…と思いつつ続編へ突入します。(ノ-_-)ノ~┻━┻映像作品あるみたいなんで確認しよう〜〜2018/07/19
ティーチピー
10
杉本、一皮向けて本部に返り咲いてきましたね。巻末ではなかなか粋な活躍をしてました、シリーズ当初はただのイヤなヤツだったけどだんだん可愛くなってきましたね。笑2013/01/27
shirou
9
かなりリアルに金融業界・銀行の内幕について書かれています。 その当時に起こった実際の事件もモデルとされているため、読みやすく考えさせられます。 下巻は、銀行内の権力闘争がメインの内容。 権力闘争は、どこの会社でもあると思いますが、長く権力を保持し続けた権力者との決別。 完全には出来てない様子デスが、今後の展開が楽しみになりました。 不倫の描写のみ、あまりリアルを感じませんでした(笑)2014/01/12
しーふぉ
8
支店長として貸し剥がしに直面し、銀行の役割について考えてしまう竹中。ニュースでこういうことがあったのを知るだけでは、具体性がないけれど、小説で読むとリアルに感じられる。2013/09/07