感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
巨峰
51
映画化されたときのポスターは良く覚えている。妖艶な松坂慶子と幼さの残る真田広之。どうみてもメロドラマって感じだったけど、原作は全然違う。まだ道頓堀が存在していた頃のミナミの繁華街の戦後20数年間のクロニクル。老いた伝説的な元ハスラーの喫茶店主が本当の主人公だと思う。そして、すれ違うことの多かった息子も凄腕のハスラーになっているのだが父は認めていない。そして、息子同然に可愛がっている居候の大学生アルバイト。映画も見てみたくなった。ファンタジーな要素も盛り込みつつ市井に生きる人たちを魅力的に描いた傑作。2015/08/21
背番号10@せばてん。
42
1989年8月16日読了。自分はこの角川文庫版を読みましたが、共読されている読み友さんは、新潮文庫版が圧倒。『既読登録は自分が読んだ版を』というマイルール破りの誘惑にかられます。1989/08/16
kinkin
39
随分前に読みかけて頓挫した本。今思えば当時は若くてこの本の雰囲気についていかれなかったのかもしれない。道頓堀川周辺で武内と邦彦、そして政男や彼らを取り巻く人々が道頓堀川に映るネオンサインのようにゆらゆらと揺れながら書かれているところがよかった。『泥の河』に出てくる子供たちの会話と同様、大阪弁が活き活きと動き回る展開、回想シーンなどゆっくり落ち着いて読むことができた。またいつか読み直してみたい本だ。2015/04/03
佐島楓
33
道頓堀界隈のぎらつく猥雑さ、そこに生きる人々の底知れぬ苦しみ。明日が見えないようなぬかるみの中、それでも生活をしていかねばならない。川三部作読了。2014/08/02
美雀(みすず)
27
道頓堀川…。大阪の繁華街を流れる川、その畔に構える小さな喫茶店。親子みたいなマスターと住み込みのバイトの青年のそれぞれの生き様が丁寧に書かれてて読みやすかったです。人は苦労しながら、たくましく生きてる様子が心に響きます。2013/11/05