幻月と探偵

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幻月と探偵

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  • サイズ B6判/ページ数 285p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784041115497
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

大戦前夜の満洲、元陸軍中将の屋敷、連続毒殺事件、「三つの太陽」、岸信介の野望――。

デビュー作『刀と傘』で、「ミステリが読みたい!2020年版」第1位&本格ミステリ大賞受賞!
ホワイダニットの名手が贈る、昭和史×本格ミステリ!

【あらすじ】
ここは夢の楽土か、煉獄か――。
1938年、革新官僚・岸信介の秘書が急死した。秘書は元陸軍中将・小柳津義稙の孫娘の婚約者で、小柳津邸での晩餐会で毒を盛られた疑いがあった。岸に真相究明を依頼された私立探偵・月寒三四郎は調査に乗り出すが、初対面だった秘書と参加者たちの間に因縁は見つからない。さらに、義稙宛に古い銃弾と『三つの太陽を覚へてゐるか』と書かれた脅迫状が届いていたことが分かり……。次第に月寒は、満洲の闇に足を踏み入れる。

内容説明

1938年、革新官僚・岸信介の秘書が急死した。秘書は元陸軍中将・小柳津義稙の孫娘の婚約者で、小柳津邸での晩餐会で毒を盛られた疑いがあった。岸に真相究明を依頼された私立探偵・月寒三四郎は調査に乗り出すが、初対面だった秘書と参加者たちの間に因縁は見つからない。さらに、義稙宛に古い銃弾と『三つの太〓を覺へてゐるか』と書かれた脅迫状が届いていたことが分かり…。次第に月寒は、満洲の闇に足を踏み入れる。昭和史と本格推理が融合した、怒涛のホワイダニット!

著者等紹介

伊吹亜門[イブキアモン]
1991年愛知県生まれ。同志社大学卒。在学中は同志社ミステリ研究会に所属。2015年「監獄舎の殺人」で第12回ミステリーズ!新人賞を受賞。18年に同作を連作化した『刀と傘 明治京洛推理帖』でデビュー。19年、同書で第19回本格ミステリ大賞を受賞し、さらに「ミステリが読みたい!2020年版」国内篇で第1位を獲得する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

169
千代子は無事に日本の国へ、日本の土を踏めただろうか・・読後はそれだけ思った。1938年、満洲。今から80余年前の事なのに歴史としてもどれだけ知っているだろう。時代の闇は深く、人の熱は蒼い焔が立つようだ。利権や不明だった潤沢な資金源に私の妄想は膨らむ。だが、これは小説。初めての作家さんだったが、面白く読了した。2021/09/25

パトラッシュ

147
満洲国が舞台の本格ミステリは斯界で初だろう。後に昭和の妖怪と呼ばれる岸信介の秘書が毒殺される事件が発端で、岸に依頼された探偵の月寒が満洲の荒野を往来しながら孤独に真相を追う姿はリュウ・アーチャーを思わせる。岸のみならず関東軍や黒幕的な元将軍など得体の知れぬ面々の思惑がうごめき、ハルビンのアヘン利権も絡んで誰もが疑わしい背景描写も行き届いている。日本のアジア侵略の歴史への復讐を企んだ犯人による連続殺人の哀しみは深い余韻を残す。月寒と石原莞爾が関わった過去も暗示されており、シリーズものとして期待できる作品だ。2021/11/08

みかん🍊

93
1938年の満州が舞台のミステリー、やたら漢字が多くて読みにくかった、官僚の秘書が死亡した件を依頼された探偵月寒は彼の婚約者である小柳津元陸軍中尉の孫娘の依頼をうけ前夜の晩餐館での食事を疑い調査に乗り出すがそこで更に殺人事件が起こってしまう、犯人は身内がそれとも、科学捜査もない時代の殺人、現代ならすぐ犯人が分かってしまいそう、頑張って完読したが、時代背景や満州の塵も理解してなかった為か登場人物誰にもあまり共感できず犯人の動機にも納得出来なかったのが残念。2021/11/01

cinos

92
満州を舞台にした本格ミステリ。その頃の歴史を知らないので、異世界を私立探偵が捜査している感じがした。しかし、ホワイダニットがすごすぎる。2021/09/18

がらくたどん

81
『刀と傘』以来楽しみに読んでいる作家さん。時代の空気とその空気だからこそ起こる犯罪を実在の人物を程よく絡めて破綻のないミステリーに仕立てて巧みに読ませる。今回は満州。皆が顔色を伺う退役軍人宅でその孫娘の婚約者が毒殺される。探偵役は快刀乱麻というより狂言回しだが、満州国政府・関東軍の絡み合う思惑に過去のシベリア出兵の残影が不穏な気配を漂わせ、歴史エンタメとして充分に楽しい。「主人」「宿屋」等の情景語に「ホスト」「ホテル」と細かくルビを振り外地に強引に作られた日本人社会という箱庭感を醸し出す工夫も楽しめた。2022/04/26

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