出版社内容情報
上海大学のユアンは国家科学局からの呼び出しを受ける。彼の論文の内容を確認したいというのだ。そのテーマとはロナルド・ノックスが発表した探偵小説のルール「ノックスの十戒」でだった…。異形の奇想ミステリ集！
内容説明
上海大学のユアンは国家科学技術局からの呼び出しを受ける。彼の論文の内容について確認したいというのだ。その論文のテーマとは、イギリスの作家ロナルド・ノックスが発表した探偵小説のルール、「ノックスの十戒」だった。科学技術局に出頭したユアンは、想像を絶する任務を投げかけられる…。発表直後からＳＦ＆ミステリ界で絶賛された表題作「ノックス・マシン」、空前絶後の脱獄小説「バベルの牢獄」を含む、珠玉の中篇集。
著者等紹介
法月綸太郎［ノリズキリンタロウ］
１９６４年松江市生まれ。京都大学法学部卒。在学中は京大推理小説研究会に所属。８８年に『密閉教室』でデビュー。２００２年「都市伝説パズル」で第５５回日本推理作家協会賞短編部門、０５年『生首に聞いてみろ』で第５回本格ミステリ大賞を受賞（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
331
2014年このミス国内第一位。 SF&ミステリーの中篇集。 表題作は、まず設定が面白い。 コンピューターが文学を 創作する時代・・探偵小説の ルール「ノックスの十戒」を 巡る物語。タイムトラベルまで 登場して…文中に英国の 本格ミステリー作家・作品名が 出てくるのも、少し楽しい。 また他の中篇も、クリスティなどを 登場させて、英国探偵小説ファンと 一緒に遊べる。自由闊達な設定が なぜかワクワクする。 でもミステリーを期待すると、 拍子抜けする。SFの範疇だろうと 思う。2013/12/31
へくとぱすかる
220
ミステリとＳＦ、宇宙論や素粒子論が好きなら絶対はまる。接合できそうにない文学と物理学の世界を、それこそ特異点でつなぎ合わせるような奇想は拍手もの。双子、クイーン、量子もつれ、山火事、エントロピー！ タイトル作は、もちろんあのロナルド・ノックスにちなんでいるが、彼の十戒からそこまで物語を発展させ、タイムマシン理論のアイディアを具体的に文章化した手腕がすごい。用語の氾濫で煙に巻かれた感はあるけれど。「引き立て役倶楽部の陰謀」は設定が爆笑ものだけど、まじめすぎる議論がかえって効果的だ。さすが「このミス」１位。2020/01/19
ダイ＠2019.11.2～一時休止
167
ミステリ好きの人以外にはとてもじゃないけど読むのを薦められないけど、いい。2013/10/01
海猫
142
「本格」SF（本格ミステリを主題にしたSFの意）だそうで、惹きつける中短編4編。なかなかに面白かった。どの作品もSFとしての奇想が膨らんでいくけど、ロジカルに綺麗に畳まれて、キチンと終わるのが独特の気持ちよさ。全作品にあるミステリというジャンル特有のお約束やパターンいじりにも、可笑しみがある。ミステリとしてもSFとしても楽しめるので、一粒で二度美味しい。ただ、ある程度ミステリ小説を読み込んで知識がないと、判りづらいような気もした。とにかくミステリ初心者が手をだすのは、まだ早い感じ。読者を選ぶタイプだね。2020/01/19
ナイスネイチャ
139
図書館本。このミステリーがすごい！で１位だったので。正直難解でした。海外推理小説が無知なので、いまいち頭に入らず、ノックスマシン1、2は面白かったけど、SF 色が強くてページが進みませんでした。2014/07/26
