出版社内容情報
大川の畔に見慣れぬガラス棒を握りしめた惨死体が流れ着いた。吉宗配下の御庭番にして、採薬使の佐平次は探索を命じられる。同じ頃、西国では蝗害が広がり、ほかの採薬使仲間は原因を究明すべく、江戸を立つが……。
内容説明
大川で惨死体が上がった。吉宗配下の御庭番にて、採薬使の佐平次は探索を命じられる。その死体が握りしめていたのは、昇降図と呼ばれる代物で、温度を測るものだった。一体何のために使うのか…。同じ頃、西国では蝗害が広がり、ほかの採薬使仲間は原因を究明すべく、江戸を立つが…。
著者等紹介
平谷美樹[ヒラヤヨシキ]
1960年、岩手県生まれ。大阪芸術大学芸術学部を卒業後、2000年に『エンデュミオン エンデュミオン』(ハルキ・ノベルス)でデビュー後、『エリ・エリ』(角川春樹事務所)で、第1回小松左京賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kei302
57
享保の大飢饉は生物テロによる米の不作が原因だった! 事件発覚のきっかけとなった温度計は何に使われていたのか? 永井するみ著『枯れ蔵』を彷彿させる“生物テロ”。イネの害虫ウンカは春に黄砂とともに日本に運ばれ、寒さに弱いため冬が来ると死滅する。そのウンカを大量に飼育していた組織の狙いは…。飢饉の広がりと政道批判、倹約を主張する吉宗と規制を緩めることによって経済を活性化させるという尾張宗春の主張。う―mm。KindleUnlimited単行本の表紙の方がクールで好み。 2022/03/15
ねむねむあくび♪
57
図書館の本。さくさくと読了。登場人物が時代物にしては多めのため、魅力が分散してる点は残念。故に、主人公の魅力も薄い。しかしその分、作中の会話が個人的には好み♪主人公よりも回りの登場人物たちの細やかな会話のやり取りが生き生きとして、久しぶりにテレビ番組の時代物を観ているような気分で楽しめた。読んでみて、題名が紛らわしくて損してる作品だと思った。採薬師佐平次とあるが、お庭番たちの活劇なので、必殺仕事人的なチーム感の出るタイトルにしたら良かったのになぁ~(*´∀`)続編も読んでみよう。2017/09/22
ベルるるる
28
江戸の四大飢饉のひとつの享保の大飢饉は、実は、害虫テロだった・・・という内容。興味深い設定だと思った。2018/08/11
Norico
16
江戸城御掃除之者シリーズで出てきた採薬使が主役の物語もあるというので、読んでみました。蝗害の裏に見え隠れする尾張徳川家を追う佐平次さん。結構人が死ぬし、終わり方もスカッとする感じではなく、御掃除者シリーズよりだいぶシリアス。2020/12/14
まるちゃん
10
採薬使という言葉に引かれて読みました。蝗で飢饉になる段でもしかしたら読んだことがあるかもと思いましたがはっきり覚えていません。生物テロを阻止するという割には淡々としたお話で、ちょっと残念でした。2016/02/09