百年法〈上〉

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  • サイズ B6判/ページ数 394p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784041101483
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

国難を迎えた現代日本に投げかける衝撃の問題作!

6発の原爆が投下され終戦を迎えた日本で、ある法律が制定された。通称「百年法」。新技術で不老を与えるかわりに、100年後に死ななければならないというが!?

内容説明

原爆が6発落とされた日本。敗戦の絶望の中、国はアメリカ発の不老技術“HAVI”を導入した。すがりつくように“永遠の若さ”を得た日本国民。しかし、世代交代を促すため、不老処置を受けた者は100年後に死ななければならないという法律“生存制限法”も併せて成立していた。そして、西暦2048年。実際には訪れることはないと思っていた100年目の“死の強制”が、いよいよ間近に迫っていた。経済衰退、少子高齢化、格差社会…国難を迎えるこの国に捧げる、衝撃の問題作。

著者等紹介

山田宗樹[ヤマダムネキ]
1965年愛知県生まれ。98年「直線の死角」で第18回横溝正史賞を受賞。2003年に発表した『嫌われ松子の一生』は、映像化もされ大ベストセラーとなった。『百年法』で初めてのSF巨編を手掛ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yoshida

472
新技術にて人間が不老を手に入れた社会。社会は退廃し、血は澱む。生存可能な期限を百年と定めた、生存制限法、すなわち百年法が施行。社会は活力を取り戻したかに見えたが、特権階級のみ百年を越えても生きられるという欺瞞が、再び社会を混乱に導く。この作品では日本の持つ、また将来起こりうる様々な課題を暗喩している。手厚い社会保障による国庫の疲弊、国民皆保健の廃止による医療制度の崩壊、信念なき政治家達、政治に興味がなく情報操作される国民性等々。村上龍さんの「五分後の世界」を思い出す。膿んだ社会はどう変わるか。下巻に期待。2017/04/16

射手座の天使あきちゃん

436
凄い、凄過ぎですよ この設定! 六発もの原子爆弾で焦土と化した日本 百年法(不老化処置後百年で生存権を含む全ての人権を失う)と引き換えに、HAVIにより不老化技術を手にして奇跡の復興を遂げるが・・・ うーん、なんという近未来パラレルワールド この小説が語りかけるものは、百年法実施をめぐる男たちの熱い政治ドラマか? 神の摂理に挑戦する人間への審判か? もう止まりません、眠らずに下巻読みま~す! <(^_^;2013/09/15

まちゃ

414
SF的な世界観で人間の生と死の尊厳に絡む問題を政治家・官僚と民衆の視点で細かく描いていて面白かったです。絶対的な権力を持った牛島大統領が誕生する件は、古代ローマ帝国の初代皇帝アウグストゥスが合法的かつ段階的に帝政を確立した過程に似ていると思ったら、参考文献に「ローマ人の物語」が入っていたので納得です。もし、今の自分が20代の身体を持っていたらと考えると、羨ましいやら怖いやら複雑な心境です。不老化恐るべし。下巻へ。2015/09/12

修一郎

392
近未来のSF,年代設定が秀逸。この設定のため特攻隊組を含む様々な世界観を持った人物が登場。つっこみどころはあるも百年法をめぐる政治ゲームの展開は面白い。最初から不老不死世界の負の面を描いていて,その切り口と,家族制度や労働概念など世代交代がない世界のシミュレーションが興味深かった。分厚い本だけど長く感じなかった。山田宗樹さんは大沢在昌さんの「屍蘭」のリーダビリティを理想としているとのこと。それらしい工夫は感じるものの「屍蘭」の域には遠く達していないとも感じた。風呂敷が広がってきたところで,下巻へ。2014/08/31

大地

309
不老不死になれば幸せなのか?永遠の若さを手に入れれば幸せなのか?『死』が現実にあるからこそ必死に生き、『死』があるからこそ人なのだと感じました。 最期があるとわかっているからこそ、志を遂げるために必死に生きていけるもの。遊佐の変化が少し残念ですが、下巻でどうなるのかが気になります。非常に読みやすく、テンポもいいので一気読みでした。後半に期待です!!2014/12/21

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