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散り椿

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  • サイズ B6判/ページ数 355p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784041101193
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

かつて藩を追われた男はなぜ帰ってきたのか? 心を揺さぶる長編時代小説。

かつて一刀流道場の四天王の一人と謳われた新兵衛が、18年ぶりに山国の小藩に帰郷した。居候として迎えることになった若き藩士・東吾は、迷惑なことと眉をひそめるが、やがて藩の不正をめぐる権力抗争が表面化する。

内容説明

かつて一刀流道場の四天王の一人と謳われた瓜生新兵衛が、山間の小藩に帰ってきた。一八年前、勘定方だった新兵衛は、上役の不正を訴えたが認められず、藩を追われた。なぜ、今になって帰郷したのか?新兵衛を居候として迎えることになった甥の若き藩士、坂下藤吾は、迷惑なことと眉をひそめる。藤吾もまた、一年前に、勘定方であった父・源之進を切腹により失っていた。おりしも藩主代替わりをめぐり、側用人・榊原采女と家老・石田玄蕃の対立が先鋭化する中、新兵衛の帰郷は、澱のように淀んだ藩内の秘密を、白日のもとに曝そうとしていた―。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

文庫フリーク@灯れ松明の火

84
余命いくばくも無い妻からの頼み。夫・新兵衛に故郷に戻り為して欲しい事とは?藩主側用人にして出世頭・榊原采女の義父を斬ったのは誰か?妻の遺した言葉・和歌の真意は?謎に引き込まれ一気読み。物語として直木賞『蜩の記』を上回りました(個人的印象です)鮮やかに裏返される妻の遺言・和歌。中年となった我が身と友・身分も生死も、かつて道場四天王と呼ばれた「あの若者たちはどこへ行ってしまったのだろう」切腹させられた父の汚名そそぐ為、出世に走る若武者・藤吾の、嫌っていた新兵衛の影響で変わり行くさま。→続く2012/03/13

財布にジャック

83
直木賞受賞作の「蜩ノ記」を、不覚にも図書館で読んでしまい、涙を堪えきれなかった失敗を生かして、自宅でひっそりと読みました。本当に素敵な作品で、葉室さんの小説を読むのは6つ目ですが、今までで一番好きです。平山道場の四天王といわれた4人の男達の過去が知りたくなり、まるでミステリーのようでぐいぐいと読まされます。恋も友情も家族愛も、そして藩への忠誠心も、これでもかという程沢山のドラマが詰まっていました。涙なしでは読めませんが、是非是非沢山の方に読んでもらいたい傑作です!2012/07/08

レアル

82
「散る椿は残る椿があると思えばこそ見事に散っていけるのだ」 このフレーズこそが物語の全てを伝えている。亡くなった妻の願い事を叶えに故郷に帰るところから始まる物語だが、夫婦愛友情と、人を想う気持ちと受け取る気持ちが一致しない切なさ、そして若き男が成長していく姿、女性としてあるべき姿等読み処満載で、良い作品だった。こういう作品をたくさん読みたい。2015/03/26

藤枝梅安

78
扇野藩の若い下級武士・坂下藤吾は山廻りの際に、一人の浪人と出会う。瓜生新兵衛は藤吾の母・里美の姉・篠の夫である。上司の不正を訴え藩を追放された新兵衛は江戸、京都を転々とし、篠の死後、篠の願いを叶えるために生まれ故郷に戻ってきた。伯父である新兵衛を疎む藤吾だったが、平山道場の四天王と呼ばれた4人がそれぞれの職責・立場を貫いて行く姿が次第に明らかになる。政争に巻き込まれていく藤吾を支える新兵衛。家老の不正、謎解き、秘めた純愛、青年武士の成長、新たな世代に託す潔い去り際、など、葉室ワールドを満喫できる作品。2012/07/07

kazu@十五夜読書会

74
不正を訴えながら疎まれ藩を放逐された瓜生新兵衛が、妻を看取り18年ぶりに山国の小藩に帰郷した。親類の藤吾は、迷惑なことと眉をひそめるが、やがて藩の不正をめぐる権力抗争が表面化する。追われた男はなぜ帰ってきたのか?新兵衛の妻篠の残す和歌の真意は、「くもり日の影としれなる我なれば 目にこそ見えね身をばはなれず」、最愛の夫新兵衛を生かすために自らの気持ちを偽り、実家の散り椿を見る事を約束させる。家督争いに巻き込まれた道場の四天王の其々の運命・生き様、真実の夫婦の愛の行方、篠の切ない愛情あふれる作品。2013/03/26

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