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北の五稜星

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  • サイズ B6判/ページ数 261p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784041100707
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

幕府海軍の最期。少年士官たちの箱館戦争を描く、書き下ろし歴史小説。

新政府に抗した旧幕府方は、榎本武揚のもと箱館に結集した。旧幕府海軍の佐々倉松太郎ら若き浦賀衆たちもこれに加わるが、開陽丸は沈没、新政府軍が箱館に迫る。歴史小説の気鋭が描く、少年たちの箱館戦争とその後。

内容説明

大政奉還後、薩長の新政府に徳川家が恭順の意を示すと、諸藩も次々とこれに従ったが、榎本武揚は新天地を求め、旧幕府海軍を率いて蝦夷地へと向かう。かつてペリー来航を迎え、海軍草創期を支えた浦賀衆たちも同調し、佐々倉松太郎、中島恒太郎・英次郎兄弟、朝夷正太郎・三郎兄弟の五人も、若年ながら加わった。が、最新鋭の開陽丸が暴風に遭遇、五人の必死の努力も空しく、座礁してしまう。榎本らも一枚岩でない中、新政府軍が五稜郭に迫る。箱館戦争と、残された者の人生を描ききった、書き下ろし歴史長編。

著者等紹介

植松三十里[ウエマツミドリ]
1954年生まれ。静岡市出身。出版社勤務、七年間の在米生活などを経て、執筆活動に入る。2003年、「桑港にて」(『咸臨丸、サンフランシスコにて』と改題して角川文庫)で第二七回歴史文学賞を受賞。09年、『群青日本海軍の礎を築いた男』で第二八回新田次郎文学賞、『彫残二人』(文庫版『命の版木』と改題)で第一五回中山義秀文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

マムみかん(*感想は風まかせ*)

23
初めての作家さんでしたが、とても読みやすかったです。 幕府崩壊後、榎本武揚らと蝦夷地へ渡った浦賀衆の少年たち。彼らが戦った函館戦争の実態と、生き残った者のその後の人生…。 歴史上あまり知られていない少年たちが主人公なので、特別凄い活躍もなく物語は淡々と進んでいくのですが、そこにリアルさがありました。 榎本とか勝海舟とか額兵隊の星とか…最初イヤ〜な奴だったのが、後に良い人だとわかる構成はニクいよね(笑)☆ 2012/03/02

りかん

11
ネタバレあり。箱館戦争で戦死した元浦賀奉行所与力、中島三郎助とその息子2人のことは知っていたが、同じ「浦賀衆」として参戦した年若い朝夷兄弟と佐々倉松太郎はその存在すら知らなかった。彼ら5人の純粋な生き方は哀しく、白虎隊の話に涙するように、わかっていても涙を禁じ得ない場面が度々。しかし、植松さんの凄いところはそんな読者の反応を見切ったように、額兵隊長星に「日本人は、若い奴が志のために潔く死ぬって話が大好きなんだ」と言わせるところ。決して美談などではないのだと胸ぐらを掴まれ揺さぶられたよう。2012/01/26

aocchi

9
佐々木譲先生の婢伝五稜郭や五稜郭残党伝を思い起こしながら読むと、より一層背景が鮮やかになる。佐々倉松太郎が主人公で、普段はあまり脚光を浴びない人たちの事が綴られていて、歴史の中に埋もれている一人ひとりの歴史や思いが興味深かった。何気なく見ていた函館市内にある土方歳三や中島三郎助の「最後の地」の碑の経緯がよくわかった。時代が違えど人としての思いは変わらないのだなと強く感じた。今平穏に暮らしてる背景にはこのような歴史があったの事を忘れずに生きていたい。2020/12/16

誰かのプリン

8
以前から、浦賀奉行所与力 中島三郎助に興味を持っていた。本書では、生きる場所を失った浦賀衆を率いて反政府軍に身を置き、薩長連合政府の非道なやり方を、自らの命を捨てて訴えるためだという。 後半中島三郎助の取った行動に、思わず涙した。読み易く良い本でした。2016/08/20

ゆずこまめ

7
五稜郭で生き延びた人たちは、生きていくということに向き合い続けた人生だったんだろうな。立派な業績を残した人もいて、挫折してもイジけずくじけずがんばり続けることが彼らの結論だったなら嬉しい。個人的にはヤンキー隊長・星さんがかわいくてかっこいい。やんちゃと大人のバランスが絶妙です。2012/02/04

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