出版社内容情報
古の人々はいかに病と向き合ってきたか?
万葉集から、方丈記、江戸の役者絵、正岡子規まで。古典籍をひもとけば、古の人々がどう病と向き合い、苦しい状況の中で希望を見出していったのかがわかる。歴史を学び、現代の糧とする文庫書き下ろし!
●ロバート キャンベル:日本文学研究者。国文学研究資料館館長。東京大学名誉教授。1957年ニューヨーク市生まれ。カリフォルニア大学バークレー校卒業。ハーバード大学大学院東アジア言語文化学科博士課程修了、文学博士。1985年に九州大学文学部研究生として来日。専門は近世・近代日本文学。
内容説明
医学や科学が現代よりも発達していなかったころ、人々は未知の感染症をどのようにとらえたか。感染症はいかにして広がり、そしてその困難の中、人はどのように希望を見出していったのか。『万葉集』に残る天然痘の挽歌、『源氏物語』に描かれるマラリア『方丈記』養和の飢饉、『徒然草』などが描く流言蜚語、江戸時代の三密回避「はしか遠慮」、夏目漱石と腸チフスほか。約1300年間の記録をたどり感染症の地平を見わたす書き下ろし論集。
目次
感染症で繋げる日本文学の歴史(ロバートキャンベル)
『万葉集』と天平の天然痘大流行(品田悦一)
平安時代物語・日記文学と感染症―虚構による「神業」の昇華(岡田貴憲)
『方丈記』「養和の飢饉」に見る疫病と祈り(木下華子)
神々の胸ぐらを掴んで―感染症と荒ぶる禅僧のイメージ(ディディエ・ダヴァン)
流言蜚語と古典文学―鬼・髪切虫・大地震(川平敏文)
中世の文芸と感染症(海野圭介)
江戸時代の漢詩文と感染症(山本嘉孝)
養生の基底にある思想―『延寿撮要』から『養生訓』へ(入口敦志)
伝奇小説の中の疫鬼たち(木越俊介)
“病”と向き合う村びとたちの知恵―ある山村の日記から(太田尚宏)
安政のコレラ流行と歌舞伎(日置貴之)
幕末役者見立絵と感染症(高橋則子)
コレラと幕末戯作(山本和明)
近代小説と感染症―柳浪・漱石・〓外から(野網摩利子)
著者等紹介
キャンベル,ロバート[キャンベル,ロバート] [Campbell,Robert]
米国ニューヨーク市生まれ。文学博士。専門は近世・近代日本文学。東京大学名誉教授。カリフォルニア大学バークレー校卒。ハーバード大学大学院東アジア言語文化学科博士課程修了。九州大学文学部研究生として来日。国文学研究資料館助教授、東京大学大学院総合文化研究科助教授、同教授を経て、2017年4月から2021年3月まで国文学研究資料館館長をつとめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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