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オリンピックがやってきた―1964年北国の家族の物語

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  • サイズ B6判/ページ数 264p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784041055724
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

1964──昭和39年。東京五輪開催を控え日本中が沸く頃、青森のある町にて。田舎では戦争の影がかすかに残る。でも七人家族の前田家は今日も元気。小学生の民子の日常はきらきらしている。待望のカラーテレビに興奮し、学校では「ひょっこりひょうたん島」の話に夢中。まだすべての人が豊かでなく、悲しいこともたくさんある。でも皆が東京五輪を待ち望んでいたあの日、心には希望があった。

内容説明

昭和のお茶の間には笑いと涙がありました。茶の間の主役はテレビ、みんな揃って夢中で見ていた。ご近所さんの話で花が咲き、我が家のことのように心配する。そんな町全体が家族のような時代の、あたたかいお話。

著者等紹介

堀川アサコ[ホリカワアサコ]
1964年青森県生まれ。2006年『闇鏡』で第18回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みかん🍊

101
オリンピックに大騒ぎする物語かと思ったら、1964年青森の家族とご近所さんたちのほのぼのした物語、西洋館に住むロシア人の正体不明の奥様と住み込みのトキさん、祖父母、警察官の父と母、役所に勤める叔父さん、小学生の民子に弟の公平とその時代の典型的な3世代家族の前田家それぞれの物語、堀川さんにしてはホラー色は薄く古き時代のちょっと笑えたり少しのミステリーとホラーの混じったエピソード「人間って、良いことをするようにできてるんですよ。」 性善説が信じられた時代、楽しかったです。2017/10/26

モルク

99
昭和39年の東京オリンピックを目前に控えた青森。洋館に住むロシア人の奥様と女中のトキ、そして近所の前田家の面々を中心とした連作短編集。成長期にはあったが貧しさも残っていたが今と変わらぬ嫁姑問題、小学校でのヒエラルキーと共に、女衒っていつ頃までいたんだろう。トキの生い立ちと奥様との出会いの話が好き。登場人物も懐かしさを感じる。オリンピックで一般家庭にも入ってきたカラーテレビ、色の調整のつまみがあった。友達の家で、これでいいの!とその家のお母さんに言われ絶対違うと思いながら緑色の黄金バットを見せてもらったな。2020/11/12

はる

72
1964年の青森。ある家族を中心に、北国の小さな町に暮らす人たちの悲喜こもごもをペーソスたっぷりに描きます。明るいタッチですが、思ったより切なくて悲しい人生模様。時には過酷で読むのがつらいものも。それでもユーモアに溢れた文章は優しく、郷愁を誘います。読み終わった時には、ほんわかと心が温かくなりました。2017/09/28

taiko

69
1964年、オリンピック開催直前の青森で暮らす人々の話。 青森版3丁目の夕日的なストーリー。 西洋の奥さまと女中のおトキ、前田家の面々、みんな田舎町でのんびり暮らしている。 奥さまはタロットカードで近所の人の悩みを解決したり、前田家の孫娘民子は、学校でたんぽぽ会なる仲良しグループに所属したり、カラーテレビを月賦で買った前田家の三男昭次はささやかな恋に胸をときめかせたり。 老人達の集まる長谷川医院の話、嘆き節が良かった。 私自身はまだ生まれる前、でも、なんとも懐かしい気持ちになる暖かな優しいお話でした。2018/03/10

ままこ

66
東京オリンピックが開催された年の北国に住む家族を中心としたてんやわんやの物語。自分勝手な人達が多くイラッとするけど憎めない。でもツナさんみたいなお姑さんとは暮らしたくないなぁ。色んな人の視点で語られてるが民子の気持ちに一番共感できた。人の想いは複雑なのだ。《一生のうちで何度もない幸福な時間は飛行機雲で描いた空の輪っかほどはかないこと》だからその瞬間を思いっきり楽しまなくては。謎な部分が多い奥さまは浮世離れしてるけど心優しい素敵な人だったなぁ。レトロな表紙にほっこり。裏表紙の気持ち良さげな猫が可愛い♡2017/11/24

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