出版社内容情報
警視庁の河合は〈ブラックチェンバー〉と名乗る組織にスカウトされた。この組織は国際犯罪を取り締まり奪ったブラックマネーを資金源にしている。その河合たちの前に、人類を崩壊に導く犯罪計画が姿を現す。
内容説明
警視庁の河合はロシアマフィアを内偵中に拉致されるが、殺される寸前“ブラックチェンバー”と名乗る組織に救われた。この組織は国際的な犯罪組織に打撃を与える一方で、奪ったブラックマネーを資金源にしているという。スカウトされた河合はブラックチェンバーに加わることを決意。その河合たちの前に人類を崩壊に導くおそるべき犯罪計画が姿を現す―。進化し続ける国際犯罪の実態をえぐり出す、クライムサスペンス巨編。
著者等紹介
大沢在昌[オオサワアリマサ]
1956年、名古屋市生まれ。慶應義塾大学法学部中退。79年「感傷の街角」で小説推理新人賞を受賞しデビュー。その後、86年『深夜曲馬団』で日本冒険小説協会最優秀短編賞を、91年『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞、94年『新宿鮫 無間人形』で直木賞、2004年『パンドラ・アイランド』で柴田錬三郎賞を受賞。10年、日本ミステリー文学大賞を受賞。ハードボイルド、冒険小説を中心に幅広い分野で活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみねこ
82
病院図書室の本。かなり前に単行本で読了済み。ロシアマフィアを内偵中に拉致され殺害されそうになった警視庁の河合は、殺害される寸前に❮ブラックチェンバー❯と言う組織に救われ、一年間の訓練を受ける。誰が味方か敵か?背後に隠された国際的な陰謀。今のコロナ禍も誰かが仕組んだものなら怖すぎる…。2021/04/11
ロッシーニ@めざせ正社員
23
犯罪組織の裏金を資金源とする「ブラックチェンバー」。正義の組織かと思ったら、100%正義ってわけではなさそうですね。リーダーの北平にもなんか胡散臭さを感じました。だから、結末もあまりスッキリ感がないように思いました。 2013/11/30
007
22
途中からは展開が早くなり読み応えがあり面白かった。登場人物が多くてロシア人が覚えきれなかった。ブラックチェンバーが目指していたものは未来への正義だったのか。2015/02/04
ドナルド@灯れ松明の火
18
登場するロシア人の名前は長いし覚えづらいが面白くて一気に読んだ。警察の論理と庇護の限界を感じロシアマフィアに殺されかけた河合警部は正義と利潤を目指すブラックチェンバーと名乗る組織に助けられ警官を辞める。その組織はロシアマフィアと山上連合の企む巨大な利益を狙っていた。警察VS公安の嫌な面をこれでもかと描く。大沢さんはハム(公安)が余程嫌いみたいだ。まあ実態も近いんだろうけどね。勝目梓氏のロ助嫌いと同じ位ハム嫌いが伝わる。日本のヤクザやチャンコロ・ロ助マフィアの描写がリアルで凄まじい。2014/09/09
もちもちかめ
17
分厚くて持ち運びに苦労した。2008年発行。先生のお仕事の割に、今回は人物造形が魅力的ではなかったが、ストーリーが単純でおもしろく読めた。気絶した成人男性はひとりの人間だけでは短時間でクルマの後部座席に載せられないです。そういう細かい気になるところをすべて取っ払う楽しみ笑。相変わらず人とはこうあるべき倫理観がしっかりしていて尊敬できる。もっともっと皆に読まれてほしい、大沢先生大好きだ。2022/09/29