角川文庫<br> 燃ゆる樹影

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角川文庫
燃ゆる樹影

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  • サイズ 文庫判/ページ数 478p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041004838
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

諏訪の森で燃えあがる大人の恋情

55歳の樹木医・沢村信治はメル友になった安住陽子を諏訪湖畔の病院へ見舞った。だがそこに現れた陽子の母親は二十数年前愛し合った美枝子だった――。情趣豊かな風景の中で時間を超え燃えあがる大人の恋の物語。

内容説明

八ヶ岳の麓にあるアカマツの診察を終えた樹木医の沢村は、自身のホームページを通して知り合った陽子という若い娘を見舞うため、諏訪湖畔にある病院へ向かった。和やかな面会の最中、陽子の母親が病室に入ってきたが、彼女は、二十数年前、愛し合い、片時も離れたくないと思っていた美枝子だった。運命の再会を果たしてしまった55歳の樹木医と46歳の画廊喫茶の女店主。情趣豊かな風景の中で燃えあがる恋情を描く、珠玉の恋愛小説。

著者等紹介

藤田宜永[フジタヨシナガ]
1950年福井県生まれ。早稲田大学中退後、渡仏。エールフランスに勤務し、帰国後、86年に『野望のラビリンス』で小説デビュー。95年に『鋼鉄の騎士』で日本推理作家協会賞、99年に『求愛』で島清恋愛文学賞、2001年に『愛の領分』で第125回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

MIKETOM

6
若い頃恋人同士だった二人。しかし若さゆえに恋愛に未熟で互いに傷つけ別れてしまう。20年後に再会。男には家庭があり女はバツイチ。まあ、当然そうなる。女には娘がいてさらに女に求婚している男がいて、この二人がキーマンになっている。娘の心境を思うと哀しい。てな話。テーマは平凡だが藤田の筆力でこの長編をしっかり読ませる。藤田作品の大きな特徴に主人公の職業の特殊性がある。本書は樹木医。なかなか興味深い。この仕事の様子を読むだけでもその蘊蓄ぶりを楽しめる。ラストシーンは命が尽きたのか愛が終焉したのか。なかなかな話。2020/02/08

sheemer

5
Unlimitedで作者初読。ちゃんとした日本語でストーリーに無理がないので、夾雑物に邪魔されることなく自然に読み進められる良書である。ストーリーには言及しないが、正解のないシチュエーションの中で自然な感情が描かれていると思う。樹木医である主人公の自然に向き合う姿勢や、それについての言語表現も自然だ。とにかく、どこにも無理がない感じで、答えのないテーマについて考えながら、自然に読み進んで行くことができる。大人の文章が読みたい方、答が出ない現実界の問いについて考えてみたい方にはお薦めできます。2019/02/11

バジル

2
アラ50恋模様なので、波風立ってもどこか達観していて落ち着いている、別の言い方してしまうと地味?かつて激しく愛し合った昔話も出て来ますが、何しろバブル期の事なのでいまいちぴんと来ず、可もなく不可もなく淡々と読めます。樹木医の主人公目線の自然描写が綺麗だった。2019/06/21

yasu7777

1
★★★☆☆2019/09/10

荘月

1
話の展開が遅くて中盤で挫折しそうになりましたが、終盤で少し面白くなり何とか読了。登場人物はとにかく呑む、呑む、呑む、、、何だか本からタバコと酒の臭いが漂ってきそうな勢いでした。2015/10/22

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