日本の童話名作選
水仙月の四日

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  • サイズ B4判/ページ数 35p/高さ 29cm
  • 商品コード 9784039634405
  • NDC分類 K913
  • Cコード C8793

出版社内容情報

恐ろしい雪婆んごが、雪童子と雪狼を使って猛吹雪を巻き起こす?。東北の風土に賢治が生んだ幻想的な物語。   小学校中学年から一般むき

内容説明

ひとりの子どもが、山の家への道をいそいでいました。でも、その日このあたりは「水仙月の四日」にあたっていたのです。それは、おそろしい雪婆んごが、雪童子や雪狼をかけまわらせて、猛吹雪をおこさせる日。まっ青だった空がかげりはじめ、だんだん強くなってくる風と雪の中から、雪婆んごの声が聞こえてきました…。東北の風土と宮沢賢治の想像力によって生みだされた神秘的な雪の精霊たちと、吹雪に巻きこまれた子どもの物語を、伊勢英子の幻想的でイメージ豊かな絵で絵本化。小学中級以上。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ままこ

63
ひゅう、ひゅう、ひゅう、おそろしい雪婆んごが荒れ狂う〈水仙月の四日〉辺り一面猛吹雪。青と白を基調に描かれる幻想的で厳しくも惹きつけられる自然美。宮沢賢治の世界観がそのまま伝わってくる伊勢さんの絵も素晴らしい。繊細で宝石のような雪の結晶がその形も様々に天からキラキラ舞い落ちる様子、桔梗いろの天球にまたたく星座も美しい。雪童子の優しさがじんわり温かく心に沁みてくるとても好きな作品。またこの雪降る時期に読んでみたい。2018/02/04

たんたん(休みます)

61
水仙月の四日、赤い毛布をかぶった子供が山の家への道を急ぐ。二匹の雪狼を従えた雪童子は猛吹雪を起こすため山へ向かう。雪童子のちょっとしたいたずらからふたりはヤドリギの枝で繋がる。雪婆んごに子供の命も取ってしまえと言われた雪童子は…宮沢さん独特の神秘的な物語を伊勢さんが幻想的な絵で表現してくれる。雪の美しさと怖さと冷たさと温かさが伝わってくる。子供の赤と雪童子の白が対照的で惹きつけられる。子供が握る「ヤドリギの枝」この絵が意味することは…。 2014/11/25

のえる

56
図書館絵本。恩師お薦め本。薦められた当時は特段興味が湧かず放置という失礼な態度…すみません。数年後、興味を湧き初読しました。 山の家への道を急ぐひとりの子ども。しかし、その日この辺りは水仙月の四日にあたっていた。それは雪婆んごが雪童子や雪狼をかけまわらせて猛吹雪をおこさせる日。 幻想的で魅入る場面もあれぱ、凄まじい吹雪の影響で寒く感じる場面も。深いことは今はまだ読み込めないけど、雪童子が子どもを必死に守る場面には胸を打たれた。2021/11/07

よこたん

50
「そうして睡っておいで。布団をたくさんかけてあげるから。そうすれば凍えないんだよ。あしたの朝までカリメラの夢を見ておいで。」 こどもの纏う赤い毛布に容赦なく降り積もる雪。おそろしい雪婆んごのおこさせる猛吹雪から、こどもをそっと護る雪童子。この季節、猛烈な雪の降り続く現代の彼の地にも、心優しい雪童子がいて欲しいと願う。賢治の綴る自然の過酷さと美しさと、どこかふわりと温かい交流、そして独特のオノマトペに頬が緩む。伊勢さんの様々な青は、この本でも存分に味わえた。「桔梗色の天球」という言葉と絵の美しいこと!2018/02/17

♪みどりpiyopiyo♪

38
雲もなく研きあげられたような群青の空から 真っ白な雪が さぎの毛のように いちめんにおちてきました。それは下の平原の … しずかな奇麗な日曜日を 一そう美しくしたのです。■賢治の生前に刊行された唯一の童話集『注文の多い料理店』に収められた9つの童話の1つです。絵は伊勢英子。■なんて澄んだ煌めき。見上げれば 細かな氷の粒が陽に映えて。まっすぐに四方に発射する陽光、カシオピイアの水仙、ガラスの水車、舞い踊る鷺の毛…。雪童子たち精霊の棲む世界を描いている様でした✨ (文:大正13年 1924年。絵:1995年)2018/03/23

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