出版社内容情報
アフリカ最奥部の大河コンゴ河を手漕ぎ舟や輸送船で下る旅。それは物の見方を根底から覆す強烈な経験だった。笑いと涙の旅行記。
内容説明
世界は偶然と突然でできている。予測不能なコンゴ河の旅。アフリカ中央部のジャングルを流れる大河を、1991年と2012年の2度にわたり船で下った道中記。笑いあり涙あり、過酷にして愛おしい旅の記録。
目次
第1部 ザイール一九九一(オナトラ船;丸木舟の旅)
第2部 コンゴ二〇一二(キンシャサからキサンガニへ;丸木舟の旅ふたたび;給油船とスピードボート)
著者等紹介
田中真知[タナカマチ]
1960年、東京生まれ。作家・翻訳家。慶應義塾大学経済学部卒業。科学ライター等を経て、1990年から1997年までエジプトに在住。アフリカ・中東各地を多様な視点から取材・旅行する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どんぐり
88
コンゴ民主共和国を東西に流れるコンゴ河をキンシャサからキサンガニまで1734キロメートルを丸木舟とオナトラ船で下る。1回目はこの国がザイールとよばれていた1991年、2回目は540万人以上の犠牲者を出したコンゴ戦争が終わった後の2012年。最初の年はパートナーの奥さんと、その次は当時キサンガニにいた日本人留学生が同行する。広大な原生林を貫く大河はアフリカで最もディープな場所にあり、危険を顧みないバカかよほどのもの好きでなければ行くことはない。→2021/06/19
宇宙猫
17
★★★ 1991年にザイール河を 2012年に名前が変わったコンゴ河を下った旅行記。秘境の本はブッ飛んでるけど実は人脈を確保してたり綿密な計画を立てているとか、考えなしだけどポジティブで乗り切るので楽しく読めるものが多いんだけど、そういう意味ではハズレ本だった。行き当たりばったりで行ってるのに不満ばかりでネガティブだから楽しくない。河で生活する様子なんかは面白いのにな。2021/11/11
ふぇるけん
16
恥ずかしながらザイールとコンゴが同じ国を表すことすら知らなかった。1990年代と2010年代に二度もザイール河を丸木舟で川下りした記録。しかも一度目は妻と二人旅。よくついていったよな・・・最初に乗ったオナトラ船はまさに水上を漂う町。トイレには生きたワニとブタがつながれていた。。。ただ、いっさいゴミのないザイール河の様子を読み、見た目はキレイだが大量のゴミを生み出す現代人の生活は本当に「進んでいる」のかわからなくなった。コンゴの景色や人の営みに思いを馳せつつ、いろいろと考えさせられる一冊だった。2018/09/12
あび
11
再読。アフリカ奥地のコンゴ河を21年の時を挟み、2度も下った記録。現地で体験した人でしか書けないフィールドワークとなっている。”世界は偶然と突然でできている。”何が起きてもそれを必然として受け入れ、折り合いをつけながら生きていくことが大切だと学んだ。旅で、不条理や理不尽な目に合うたびに、「こうでなくてはダメだ」という思い込みを一つ一つ剥がれていく。どんなに絶望的な状況に面しようとも、人生はなんとかなる。それを教えてくれた最高の1冊でした。2018/08/06
あび
10
情報量がすごい。現地で体当たり的に命の危険も顧みず、酷い目に沢山合いながらも突き進んでいくルポ作品が死ぬほど好きです。冒険の旅へ出たくなる一冊でした。アフリカ、コンゴの価値観、人生観がよく伝わる素晴らしいノンフィクション作品でした。これは再読したい本のリストへ追加します。2018/08/01