福島原発の闇―原発下請け労働者の現実

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  • サイズ A5判/ページ数 94p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784023309807
  • NDC分類 543.5
  • Cコード C0030

内容説明

『原発ジプシー』の堀江邦夫、『ゲゲゲの鬼太郎』の水木しげるが、一九七九年、福島原発の“闇”を描いていた!過酷な労働、ずさんな管理…。三・一一以降のすべては、当時から始まっていたことがわかる。“幻のルポ&イラスト”が、新たに単行本として圧倒的迫力でよみがえる。

目次

第1章 パイプの森の放浪者(「原発の仕事も考えもんだ」;原発を渡り歩く“ジプシー”たち;防護とは名ばかりの防護服;汚染水が突然吹き出す;高線量エリアでの作業;故障していたアラームメーター;激しい頭痛に座り込む)
第2章 傷ついた者たちの墓標(史上最悪の事故に口を閉ざす;重装備でヘドロを掻き出す;“被ばくノルマ”の達成;管理区域内で重傷を負う;想像を絶する「事故処理」;“無災害”を讃える記念碑)

著者等紹介

堀江邦夫[ホリエクニオ]
1948年東京生まれ。記録作家。コンピュータエンジニアを経て、74年、フリーライターになる。78年9月から79年4月まで、美浜、福島第一、敦賀原発で下請け労働者として働き、その体験ルポを『原発ジプシー』として現代書館から発刊。86年ごろから沖縄に居住。90年から10年余、沖縄大学で「記録文学ゼミ」の講座をもつ。同人誌「沖縄を記録する」主幹

水木しげる[ミズキシゲル]
1922年生まれ、鳥取県境港市で育つ。太平洋戦争時、激戦地であるラバウルに出征し、爆撃を受け左腕を失う。復員後紙芝居画家となり、その後、貸本漫画家に転向。65年、「別冊少年マガジン」に発表した「テレビくん」で第6回講談社児童まんが賞を受賞。代表作に「ゲゲゲの鬼太郎」「河童の三平」「悪魔くん」などがある。2003年、故興の鳥取県境港市に「水木しげる記念館」が開館。91年紫綬褒章、03年旭日小綬章を受章。07年「のんのんばあとオレ」でフランス・アングレーム国際漫画フェスティバル最優秀コミック賞を、09年「総員玉砕せよ!」で同遺産賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

64
この本は1979年に「アサヒグラフ」に掲載されたものを改めて編集したものだ。大事なことはここに書かれているのが約35年前に起きていることだ。以降3.11大地震に至るまで同様のことが全国の原発で行われていたのだろう。津波被害にあった福島原発を処置するためにこの本に書かれている以上の作業が行われているのは間違いないだろう。除染や安全性が確実に保証されない中、あちこちで原発再稼働の動きがある。まさに喉元すぎれば熱さ忘れるだ。またかならず悲劇は繰り返すと思った。2015/12/27

ちゃとら

48
【図書館本】読メで知って図書館へ。著者は1978年9月から約8ヶ月、美浜、福島、敦賀の原発で自ら下請け作業員となり働いたルポ、水木しげる作の原発内の不気味な絵も多く登場。東日本大震災の原発事故の30年以上前から恐ろしく原始的な内部作業状況は、あまり変わっていなかったのかもしれない。震災後にあいりん地区から「宮城ダンプ運転手」募集記事で原発に連れていかれ作業した人々もいたようだ。原発ができてから報道されていない犠牲者の本当の人数はどのくらいなのだろうか?恐ろしい。2024/03/21

★YUKA★

43
38年前に書かれた、ということに驚きました。線量計が壊れている、労災を隠す、などの杜撰な管理。そして、経験した人のみが知る耐えきれぬ程の目と頭の痛み。恐いです。水木さんの絵が更に恐怖心を煽ります。 原発について、知らない事ばかりでした。 危険な場所で労働している人がこんなにいるなんて。 もっと知ろうと思います。2017/09/12

更紗蝦

26
『アサヒグラフ』1979年10月26日号・11月2日号掲載のルポ『パイプの森の放浪者』を加筆・修正した単行本です。『原発ジプシー』の著者の堀江邦夫氏と、漫画家の水木しげる氏のコラボレーションという、驚きの企画です。原発内部に縦横無尽に走るパイプの異様な威圧感、放射線防護服の息苦しさ、人海戦術によって使い捨てされる作業員の悲壮感…。イラストから発せられる恐怖感と不安感の凄まじさは、戦時中に「お国のために死ね」と言われたり、南方のジャングルで命からがら逃げ回ったりした体験が大いに影響していることが伺えます。2015/12/18

風に吹かれて

21
2011.3.11の福島原発事故後、現場で働く下請け労働者の人々のことが問題となった。現場が事故原発であることを知らされないで送り込まれたり、一次どころか五次にも六次にもなっていた下請け雇用で手にする賃金が少額だったり、現場における安全管理の問題など、どのよう人々がどのような状態で現場を支えているのか知ったのだった。 →2022/04/07

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