日本の原発、どこで間違えたのか

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784023309418
  • NDC分類 543.5
  • Cコード C0036

出版社内容情報

 未曾有の惨事となった東京電力福島第一原発の事故を、日本の原子力政策の出発点に戻って考える。原発建設を急いだ正力松太郎、福島第一原発の誕生秘話、運転3年半で起こった最初のトラブル、「応力腐食割れ」……。しかし、「万が一」を恐れる住民たちを前に、「安全」は最初から脇に追いやられていた!? 日本を代表するジャーナリストの渾身のルポルタージュが今、甦る。

内容説明

未曾有の惨事となった東京電力福島第一原発の事故。いったい根本原因は、どこにあったのか。時計の針を逆に回して「原発誕生」からを振り返ると、鮮やかに「真相」が浮かび上がる。「万が一」を恐れる住民たちを前に、「安全」への配慮は万全だったか。日本を代表するジャーナリストの渾身のルポルタージュが今、甦る。

目次

序 つくられた「原発安全神話」―なぜ、いま『原発への警鐘』を復刻するのか
第1章 福島第一原発の風景―「万が一」を恐れた住民たち
第2章 東京電力と原発―福島第一原発はこうしてできた
第3章 人工放射能の恐怖―「放射線はスロー・デスを招く」
第4章 「安全」は無視され続けた―「公開ヒアリング」という名の儀式
第5章 なぜ原発を作り続けるのか―電力会社の「利益」と「体質」

著者等紹介

内橋克人[ウチハシカツト]
1932年、神戸市生まれ。57年、神戸商科大学卒業。神戸新聞記者を経て67年から経済評論家。2006年宮沢賢治・イーハトーブ賞、08年度NHK放送文化賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ふぇる(甘時雨)

7
ただただ、日本の未熟さ(愚かさ?)に呆れてしまった。あの3.11原発事故から3年。単なる不運な事故と思っていたが、蓋を開けると虚構と隠蔽のオンパレード。本書でまざまざと顕になる猪突猛進な「原発シフト」の有様に「どうして原発など作ったのか?」と思わざるを得ない。備え無くて憂い有り。愚の骨頂である。国内原発全機停止は最初で最後の正しい選択ではなかろうか。2015/03/18

がんぞ

4
チェルノブイリ事故4月にあった’86の8月刊講談社文庫を新装。毎年8月に広島長崎で「ノーモアヒバクシャ」と言うが、今年は1日の被曝限度を250mSvに切り上げられた原発作業員の恐怖、セシウム137の恐怖が加わった。(第2章)日本の原子力発電の黎明期の苦闘、(第3章)当時の体内被曝への警告、(第4章)松江原発(島根県庁に近い)の「荒れた公開ヒアリング」などを採録しこの4月に緊急出版。節電ムードで「電気の便利さに慣れ過ぎていた」とみな言うが福島第一も再び大爆発はなさそうでやや安堵感がある。忘れポイ日本が心配 2011/08/06

Hiroki Nishizumi

3
コールダーホール型炉など知らないことも書いてあったが、大部分は既知の内容だった。どこで間違えたかと言っても最初から誤っていたとしか言いようがない。何にしても原発は愚かの一言だ。 2017/05/17

Akio Kudo

2
★★★ 原発についての詳しい交渉内容が読める。2018/09/30

壱萬弐仟縁

2
FEC提唱の著者による原発猛省論。食料、エネルギー、ケアのエネルギーの調達先が原発だったことに問題がある。この本を読んで理解できるのは、パイプのひび割れといった小さな問題が、積もり積もって大問題に発展し、大事故になってしまうということだと言える。時間が経てば減価償却するのは当然のことである。現在経産省で当時の通産省の役人の答弁が、のらりくらりしており、傍聴人からのヤジが飛んでいたようだ(203ページ~)。予算消化主義の悪弊が原発をごり押ししてきた。今の東電社員と言わされている作業員が、人として何と思うか。2012/11/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/3061752
  • ご注意事項