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秋葉原事件―加藤智大の軌跡

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  • サイズ B6判/ページ数 239p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784023309227
  • NDC分類 368.6
  • Cコード C0036

出版社内容情報


秋葉原の歩行者天国で7人が殺害された無差別殺傷事件の判決が3月24日に下される。加藤智大を事件に駆り立てたものは何だったのか? 事件の動機として、「派遣切り」になりそうになったから、あるいは、彼がのめり込んでいた携帯の掲示板で「荒らし」や「なりすまし」が出たから、という説も出たが本当にそうなのか。気鋭の政治学者が裁判を傍聴し、彼の故郷や職場周辺を訪ねて、事件の背景を探る。

内容説明

なぜ友達がいるのに、孤独だったのか?何が加藤智大を歩行者天国に向かわせたのか?青森から秋葉原までの全行程―。

目次

第1章 家族(青森;家庭環境 ほか)
第2章 自殺未遂(中日本自動車短期大学への進学;仙台へ ほか)
第3章 掲示板と旅(「不特定多数」と「特定少数」;ネタとキャラ ほか)
第4章 「イライラします」(静岡県裾野市;「そろそろ3Dに行かないとヤバイ」 ほか)
第5章 歩行者天国へ(「そろそろ限界」;「ツナギがない!」 ほか)

著者等紹介

中島岳志[ナカジマタケシ]
1975年生まれ。1999年、大阪外国語大学外国語学部卒、2004年、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了。現在、北海道大学公共政策大学院准教授。学術博士(地域研究)。専門は南アジア地域研究、日本思想史。2005年、『中村屋のボース』(白水社)で大佛次郎論壇賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ykmmr (^_^)

134
言うまでもない。今年の7月26日に刑が執行され、事件は幕を閉じた。数年前から執行が検討されていたそうだが、安倍元首相襲撃事件の容疑者と、生い立ちや境遇が似ている事も、決定要素であったのだろうか?事件があると、どうしてもメディアに感化され、様々な面で客観的思考を失ってしまう。時間が経って、当時を分析したり、被疑者と勾留中などに関わった人たちの話に、耳を傾けると、見える面がある。いつもの事だが、『生い立ち』や『家庭・教育環境』がまずは1つ。2022/08/21

安南

41
事件に至る心理を理解することは出来なかったが、安易な納得は避けるべきとの著者の言葉通り、考え続けていくしかない。それでも彼の苦しみは痛いほど伝わってくる。一つ々は些細なストレスでも積もり積もれば沸点に達するということがとてもリアルに感じられた。不満を言葉で伝えることをせず、当てつけるような行動で相手に思い知らせようとする…それも自身の利益を犠牲にしてでも。そういった思考の癖を形成した家庭環境には考えさせられた。たとえ殺人は犯さなくとも彼のような子供時代を過ごし生き辛さを抱えている人は少なくないだろう。2015/08/06

のし

41
一時期話題になった秋葉原事件。彼の思考はどのように事件に結びついたのか…精神疾患が認められなかったが、どことなく切れやすい面はなんらかの疾患があるようにも思える。思い込みが激しく、一途。それを、いい方向に導く指導者に出会えなかった彼は、ネットという極端に狭い世界に入り込む。何が正しいかは、経験と、挑戦の中で苦しみ見つけるしかない。若い中で取り返しのきかないことをしたのが悔やまれる。2015/04/26

funuu

29
“本当の自分”があるという意識。“本当の自分をすべて受け入れてくれる人”がいるという意識。その“意識”は誰もが共有できる。だが“この世”にはないと分かるのが、我々の社会。“彼岸”イスラムの原理主義のように“この世”をムハンマドの世界にしようとする自爆テロの意識と同じなのかも。亡くなられた方のご冥福を祈ります。2016/03/23

まど

24
事件当初の報道で、母親の育て方の異常さが印象に残り、そこにすべての原因があって、犯人の孤独をつらく思いました。本書を読んで、犯人は普通に友人がいたこと、キーパーソンになりえたかもしれない素晴らしい出会いも経験していたこともわかりました。父親の影が非常に薄く、家族はそれぞれに別の方向を向いて、みんなが孤独だったのでは。この家にとって家族とは何だったのだろうという寂しい疑問が残りました。2011/09/01

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