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内容説明
帝国海軍の守護神であり、大正デモクラシーのヒーロー、そして戦後は高度成長のシンボル。「龍馬」とは何者なのか?!エコノミストが斬新な視点で真相に迫る。
目次
序章 龍馬は佐幕開国だった
第1章 龍馬伝説は明治一六年に始まった
第2章 幕末動乱と「明治という国家」
第3章 攘夷から開国へ―真の主役は誰か
第4章 「商人」龍馬が明治維新を準備した
最終章 勝者が書いた維新の歴史
著者等紹介
榊原英資[サカキバラエイスケ]
1941年、東京生まれ。東京大学経済学部卒。大蔵省入省後、米ミシガン大学で経済学博士号取得。IMFエコノミスト、ハーバード大学客員准教授、大蔵省国際金融局長、同財務官を歴任。「ミスター円」と呼ばれ為替・金融制度改革に尽力。慶應義塾大学教授、早稲田大学教授を経て、青山学院大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
konomichi
3
司馬史観によりねつ造された龍馬像の否定からはじまり、司馬史観そのものの否定。嫌う人多そうだけど、なかなか面白い。「明治はいい時代。昭和はダメ」という司馬史観そのものを「これ続きじゃん。分けるなんてナンセンス。明治なんて、ただの薩長独裁の延長じゃん。ダメすぎ」と一喝。2010/08/12
Hiroshi Obara
1
「歴史は勝者が作る」とか、「小説なのだから」などと言うけれど、じゃ学生時代に学んだ日本史ってなんだったんだ? 「信長の棺」を読んだときも同じ思いだったけれどなんだかいろんな事に腹が立つ。 著者の榊原が書いているように、冷静に判断できる目を持って歴史に向かうにはもっとたくさんの事を知る必要があるのだなぁ。2016/11/11
アリムン
1
薩長同盟を仲介し,倒幕・明治維新の立役者として扱われる坂本龍馬。そのイメージをどうとらえるかがテーマか。龍馬は「倒幕派」ではなく,「佐幕開国派」であり,薩長同盟も「ビジネスの一環」であると説明。「アンチ薩長」側のヒーローで,佐幕派なのだから,暗殺の黒幕も薩摩だというのは(私は)腑に落ちないのだが・・・「素晴らしき明治」という史観に真っ向から対立しているところは面白い部分もある。2010/09/27
三上 直樹
0
先の『官賊と幕臣たち』と同じ趣旨ですが、それを高名な経済学者が明らかにしているのが驚きです。 これによれば、坂本龍馬は侍というよりも武器売買の死の商人、唱えていたのは倒幕ではなく共和政体、それを暗殺したのは西郷隆盛であり、それが四度の再発見でヒーローに祭り上げられたというのには会津派の私は全面的に賛同ですが、『竜馬がゆく』信者の皆さんには受け入れられるかどうか、ぜひ一読をお勧めします。2016/09/08
Yasushi Ikeda
0
勝者が作る歴史を汲む司馬史観とは真逆の論述であり、面白い。2012/10/14