朝日新書<br> 田中角栄と安倍晋三―昭和史でわかる「劣化ニッポン」の正体

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朝日新書
田中角栄と安倍晋三―昭和史でわかる「劣化ニッポン」の正体

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  • サイズ 新書判/ページ数 261p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784022736673
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C0221

出版社内容情報

激動の昭和と劣化の平成──二つの時代の因果関係を明らかにして「戦間期」の危機にある日本の真の姿に迫る。壮大な異端者・角栄と一強支配・安倍との相違、東条英機と岸信介との因縁、昭和天皇と今上天皇との対比など、現代史のキーポイントで解明する。

内容説明

ファシズムは、歪んだデモクラシーのあとにやってくる!日本は、敗戦国が復讐せんとする「戦間期」の思想を持とうとしている。「田中角栄と安倍晋三」「昭和天皇と今上天皇」を徹底比較し、さらには「七つの特徴、五つの視点、三つの公理」によって平成というあやうい時代の実相を解き明かす。田中の国民主義か!?安倍の国家主義か!?

目次

序章 昭和から平成へ―「7・5・3の法則」
第1章 昭和天皇と今上天皇―戦争の清算
第2章 田中角栄と安倍晋三―系譜の相克
第3章 政治劣化の元凶―55年体制と小選挙区制の陥穽
第4章 青年たちの反乱―2・26事件から地下鉄サリン事件へ
第5章 戦間期の思想―魔性の科学者
終章 「田中角栄」からの批判

著者等紹介

保阪正康[ホサカマサヤス]
1939年、北海道生まれ。同志社大学文学部社会学科卒。ノンフィクション作家。「昭和史を語り継ぐ会」主宰。昭和史研究で第52回菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」

12
この本はサブタイトルをメインタイトルと置き換えたほうが内容を説明するには適切だとだと感じた。戦争に対する昭和天皇や明仁上皇の考え方、安倍政治の問題点、戦後歴代総理と戦争との接点などの話題が続く。そして、東條英機の好戦的な態度を批判し、吉田茂、田中角栄の反戦的な姿勢を評価している。現在の安倍首相は好戦的かつ扇動的な戦前の軍事指導者の言動との共通点が多いと指摘し、語る言葉の薄さを徹底批判している。自分は著者に共感するところが多く、現政権の軽さと危なさに思いを至らせつつ好意的に読むことが出来た。2020/07/01

樋口佳之

11
「私はあのとき、広島の原爆の被害状況を知って、私の計算通り、予測通りだったので、すごく嬉しかったのです。もちろん喜ぶのはいけないことだと分かっています。でも、もし広島に妻と子どもがいてそこに原爆が落ちたとしても私は嬉しかったと思いますよ。それが私たち科学者の心理/科学者の持つ魔性2016/08/17

ophiuchi

10
著者の安倍晋三への評価は、ほぼ自分のそれと同じだが、田中角栄を対極に据えたのは納得がいかない。地震国である日本に50基以上の原発が建設されてしまったのは、金の力にものをいわせた角栄がいたこと大きかったと思うし(安倍の強権的なやり方も酷いけど)、列島改造と地方創生は発想が同じだ。安倍と東条英機が似ているという指摘は「やっぱりそうか」で、暗澹とした気分になった。2016/08/31

hayatama

6
保阪正康といえば、団塊ジュニア世代のあたしたちにとっては「保守派」の論客。冗談めかしてではあるが、保坂に共感すると言ったら「お前は反動か」と言われてもおかしくないようなおヒトである。その保坂が、これでもかと安倍首相をボロクソにくさす本。曰く本を読んでいないのではないか、曰く議論ができない、曰く国家主義者、などなど。文春とか新潮を主な活動舞台としていた保坂が朝日から著書を出すのである。ただ、本来的には、安倍政権には「保守」から批判があって然るべき。彼の政権は「保守」ではなくもはや「反動」であるからである。2019/06/20

青雲空

6
保阪氏の安部への警戒感は相当なもの。 安倍の言動から、戦前の価値観を復活させたがっているとは感じていたので基本的に同感。 ただし、歪んだデモクラシーがファシズムを呼ぶ、偏狭なナショナリズムは社会主義の装いでやってくる、が何の喩えなのかわからなかった。前著で説明していて既読の読者には自明なのかもしれないが、やや説明不足な気がした。2017/01/28

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