内容説明
GDPの大きさなど、もはやどうでもいい。グローバル化が進む中で成熟化する初の先進国、それが日本だ。後に続く国々に「モデル」を示せるか。碩学と気鋭の教授が語り尽くす。
目次
第1章 高度経済成長モデルを脱せよ―浜さんが思う「いちばん大事なこと」
第2章 無縁社会、格差社会を克服せよ―橘木さんが思う「いちばん大事なこと」
第3章 それでも1ドル50円時代が来る―グローバル社会の「本質」とは何か
第4章 消費税増税で社会保障改革を―国民の安心をまず第一に
第5章 日本の強みと弱み
第6章 優雅に衰退しよう
著者等紹介
橘木俊詔[タチバナキトシアキ]
同志社大学経済学部教授。1943年生まれ。ジョンズ・ホプキンス大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。京都大学教授を経て2007年から現職
浜矩子[ハマノリコ]
同志社大学大学院ビジネス研究科教授。1952年生まれ。一橋大学経済学部卒業。75年、三菱総合研究所入社。ロンドン駐在員事務所長などを経て2002年から現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ミッキー・ダック
7
日本は労働力が不足するので高度成長は望めない。グローバル化の中で無理に新成長産業をつくって投資すれば新たな格差と貧困を生む。これまであくせく働き繁栄し成熟したのだから、今後は衰退を賢く楽しみ心の豊かさを求めた方が良い。そこそこの生活を維持するにはマイナス成長でなければいい。海外で蓄積された富から上がる投資利益や利子の分配を受けたり、仕事のシェアで雇用を確保すればいい。というのだが、ここ4年の平均成長率はマイナス0.5%の現実もある。「年寄りの冷や水」と言われない程度の「元気な年寄り」でいたいものだ。2012/11/10
ophiuchi
6
浜矩子はマスコミでよく見かけるのにこの題名のような主張は見聞きしない。経済成長不要論をフィルタリングする仕組みが出来上がっているようだ。そして安倍内閣の「成長戦略」という言葉は中身が無いのに毎日のように取り上げられている。2014/01/24
noriyorino
1
ざっと読み。経済ゼロ成長は恥ずべきことではない。優雅に意図的に衰退しよう。無理くり経済を成長させようとしている政治家がこのことに気づき、この本が主張していることが多数派の意見になる日が早く来て欲しい。2017/04/08
hisakodosu
1
若い人が読めば何いってるんだろうと思うかも。社会保障とか超党派で決めていくのは賛成。超高齢化という世界の先頭を進む日本の生きる道は、争わないということなのに。2014/07/04
shushu
0
この本の出版時より世界はさらに混迷している。。経済成長なしだと社会や貧困が固定化されてしまう面は確かにあるわけだし。。でも、フロンティアがあることになっているアメリカ型をアメリカ以外が目指すのは確かに筋が違うなぁ。2014/05/23