内容説明
「人間は常に合理的な行動をとる」伝統的な経済学は、この前提のもとに考えられてきた。しかし、生身の人間は意外と理屈に合わない行動をとる。東日本大震災で人々が「買いだめ」に走ったのはなぜ?個人投資家が「損切り」できない理由は?人々の経済行動、投資手法、金融市場の動きなどを第一人者が分析、初心者に向けて書き下ろした入門書の決定版。
目次
第1章 行動経済学ってなんだ?
第2章 人間の本質をとらえる―プロスペクト理論
第3章 直感はバカにできない?―ヒューリスティック
第4章 満足度をはかる心の帳簿―心理勘定
第5章 その思い込み、大丈夫?―フレーミング効果
第6章 時間とお金の不思議な関係―“せっかち度”
第7章 それとなく誘導する仕掛け―ナッジ
第8章 こんなに役立つ行動経済学
著者等紹介
真壁昭夫[マカベアキオ]
1953年神奈川県生まれ。76年一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)に入行。83年ロンドン大学経営学部大学院(修士)卒業。メリルリンチ社ニューヨーク本社出向、みずほ総研主席研究員などを経て、信州大学経済学部教授。2007年より「行動経済学会」常任理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
21
読んでいたようで読んでなかった。 誰かが既読してくれてあるような、 マーカーとかゴシ太字とか、 ポイントだけでも拾えば、 多忙な人はおよそわかる構成。 フレーミング効果とは、値段が高い方が 価値がある、というが、思いこみだという (7頁)。アマルティア・センの合理的な愚か者 とすぐに想起した次第だ。 群集心理を司るのは、ハーディング現象というようだ(34頁)。 僕はこの現象は大嫌いで、 田舎に長年住み着いて居る。 大都会で群れるのは嫌だから。 2014/04/15
ステビア
14
読みやすい工夫がなされていて軽く読める。2015/07/06
佐島楓
11
人間は簡単には説明がつかない生き物だと改めて思わせてくれた。そこをあえて、論理性で説明するあたり、思い当たる節も多くてちょっとした知的冒険。考え方が新鮮で、引かれる例が理解しやすいのもポイント。ほかのかたも書かれていらしたが、震災後の円高の謎が解けました。最近読んだ新書の中でもすごく面白い本でした。2011/08/29
がっち
6
行動経済学の入門編というところですな。これの良いところは昨今の経済状況を行動心理学からみているということ。単純化したモデルでしかないが、興味深く読めた。2012/08/07
nutts
5
新書レベルであろうと、学術の力はきちんと魅せてほしい、という期待にしっかり応えてくれる、基礎とエンタメとのバランスを丁寧に取っている一冊。良書。2011/08/21