朝日新書
ルポ内部告発―なぜ組織は間違うのか

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  • サイズ 新書判/ページ数 279p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784022732323
  • NDC分類 335.13
  • Cコード C0236

出版社内容情報

ミートホープ、赤福、船場吉兆……。一連の食の偽装は、すべて内部告発がきっかけだった。なぜ今、「内部告発の流行」ともいえる現象が起きているのか。組織への忠誠と社会正義で揺れ動く告発者たちの心の葛藤は? 大阪高検の元公安部長、三井環氏も登場。

内容説明

男は記者に名刺を出さず、身分証明書をさっと示した。大阪高検の現職の公安部長(当時)、三井環は告発の動機から語り始めた…。告発者を保護する法律が成立し、裁判でも、告発者に対して差別的取り扱いをした企業を「断罪」する判決が相次いでいる。社会は内部告発を受容する方向に動いているのに、組織の側は、いまだに旧来の発想から抜け出せない。「正しい組織」を実現する処方箋とは―。

目次

プロローグ なぜ連鎖するのか
第1章 三菱自動車の欠陥車隠し、「不特定多数に対する殺人」
第2章 ミートホープから船場吉兆まで、食の偽装を追う
第3章 コンプライアンスと内部通報、企業はどう向きあっているか
第4章 地方公共団体でのコンプライアンスの取り組み
第5章 「検察裏金」疑惑、現職検事はなぜ逮捕されたか
第6章 専門職の倫理と内部告発
第7章 千代田生命の元常務と元社長、破綻を境に賠償責任が逆転
第8章 「内部告発のパイオニア」が受けた32年間の仕打ち

著者等紹介

奥山俊宏[オクヤマトシヒロ]
1966年生まれ。89年、東京大学工学部卒業。同年、朝日新聞記者。東京社会部などを経て2006年から特別報道チーム

村山治[ムラヤマオサム]
1950年生まれ。73年、早稲田大学政経学部卒業。同年、毎日新聞記者。91年、朝日新聞記者。現在、編集委員

横山蔵利[ヨコヤマクラトシ]
1962年生まれ。89年、早稲田大学を卒業。同年、朝日新聞記者。東京社会部、北海道報道部などを経て、現在、釧路支局長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

69
社員は組織のために忠誠を尽くこと、裏切らないことがずっと美徳であり当たり前の世の中だった。多少のことは大目に見て下請けもほどほどの付き合いにして皆が丸くなっていた時代は、内部告発など密告としてありえないことだった。多くの大企業は言って悪いが内部告発されて仕方のないことも多かったと思う。この本にはリコール隠しの三菱自動車をはじめ様々な業種における問題とそれが明るみになった経緯が書かれていた。組織とはなにかを考える上で参考になった。PS:政治の世界も内部告発が増えればと強く思う。図書館本。2016/11/12

おいしゃん

30
組織に抗い、不正を明らかにして、自浄を促そうとした内部通告者の彼らのエネルギーに圧倒された。組織を愛するがゆえ、良くしたいという思いに駆られて内部告発をするというのも印象的だった。2018/10/20

AICHAN

30
図書館本。内部告発というと負のイメージがあった。しかし近年、多くの内部告発が行われるようになった。三菱自動車の欠陥隠し、ミートホープによる牛ミンチ偽装、船場吉兆や石屋製菓の賞味期限偽装等、近年の多くの偽装・不正事件が内部告発者により発覚した。それらの事件を、朝日新聞と毎日新聞の記者が詳細にレポートする。並みのルポならここまで詳細なのは難しいだろう。それを可能にしたのはもちろん内部告発者の増加だ。公益通報者保護法の制定によるところも大きいが、非正規雇用が増えたためと見たほうがいい面もあるという。2016/12/15

ステビア

14
悪の遍在。そしてそれを告発する正義の遍在。2021/03/01

中島直人

4
内部告発を許さない日本独特ともいえる風土が、幾つかの事件や経済環境の変化(年功序列、長期雇用制度の崩壊等)により、徐々に変化して行く。その過程を、具体的な事例を辿ることによって、分かり易く描き出している。2013/05/01

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