出版社内容情報
アジア通貨危機が地球を駆けめぐり、日本では山一証券など大手金融機関がバタバタと倒れた「1997年」。気鋭の国際経済学者がこの年に着目したのは、 97年をきっかけに世界の資本の流れが一変したからだ。未曽有の金融危機は、なぜ起きたのか。過度の悲観主義が世界を覆った時、人間心理はどう動くのか。息詰まる「経済ドラマ」を注目の経済理論「ナイトの不確実性」を駆使して分析、失敗の原因を検証する。
内容説明
アジア通貨危機が世界を襲い、日本の大手金融機関がバタバタと倒れた1997年。金融危機が深化したこの年を境に、世界のマネーの流れが大きく変わった。「不確実性」に支配された市場を、どうコントロールするか―。1997年の動きを検証し、次なる「危機」への処方箋を探る。
目次
プロローグ 「1997年」に何が起こったのか
第1章 危機の内実―「質への逃避」を生んだ市場心理(日本の不良債権問題はなぜ深刻化したのか;アジア危機を読み間違えたアメリカとIMF;絡み合う日本とアジア)
第2章 危機を読み解く―「ナイトの不確実性」というブラック・ホール(世界経済を理解する鍵;ナイトの原議論;異端視したシカゴ学派;エルスバーク登場;流動性の危機と「質への逃避」;グリーンスパンが世界を救った?;ドルは大丈夫か)
第3章 危機の教訓―世界経済の安定化は可能か(民間による解決を模索する世界;政府の積極性は効果があるか)
エピローグ 歴史は繰り返す
著者等紹介
竹森俊平[タケモリシュンペイ]
慶應義塾大学経済学部教授。1956年東京生まれ。81年慶應義塾大学経済学部卒業、86年同大学院経済学研究科修了。同大学経済学部助手、89年、米国ロチェスター大学経済学博士。主な著書に、『世界経済の謎』『経済論戦は甦る』(第4回読売・吉野作造賞(2003年))などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
佐島楓
富士さん
KJ
shusseuo