朝日新書
村上春樹はくせになる

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  • サイズ 新書判/ページ数 236p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784022731043
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0295

出版社内容情報

失語の時代、「絶望からの再生」が我々を救う。
世界を席巻する秘密をデビューから『海辺のカフカ』まで代表作で読み解く。

カフカ賞もとり今年のノーベル文学賞最の最右翼と言われる村上春樹。日本現代文学を代表する作家は、若者層を中心に世界中の読者を魅了する。なぜハルキが現代人に読み継がれるのか、現代人と彼の文学との接点はどこにあるのかを、元高校教諭の文芸評論家がく読み解く。処女作『風の歌を聴け』から最新長編『アフターダーク』までの代表作を網羅。この一冊で村上春樹のキモがわかる!!

内容説明

なぜ、日本のみならず世界中の読者が、村上春樹に魅了されるのか?著者は1995年に起こったオウム事件と阪神大震災を描いた作品に注目しながら、初期作品から最新長篇『アフターダーク』まで主要作品の小説論を展開。わかりやすく読みやすい村上春樹論の決定版。

目次

ようこそ現実へ―『アンダーグラウンド』『約束された場所で』
ここに来て―『スプートニクの恋人』
もうひとつの社会復帰―『神の子どもたちはみな踊る』
メタファーの森―『海辺のカフカ』
失語からの出発―『風の歌を聴け』
作家「鼠」の死―『1973年のピンボール』『羊をめぐる冒険』
「終り」の終わり―『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』
埋葬された時間―『ノルウェイの森』
世界の端で踊る―『ダンス・ダンス・ダンス』
空中庭園の失墜―『国境の南、太陽の西』
井戸を埋める―『ねじまき鳥クロニクル』
鏡よ、鏡よ!―『アフターダーク』

著者等紹介

清水良典[シミズヨシノリ]
文芸評論家。1954年奈良県生まれ。86年『記述の国家 谷崎潤一郎原論』で群像新人文学賞(評論部門)受賞。高等学校国語教諭を経て、愛知淑徳大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Arowana

11
どの村上春樹論を読んでも、解説者の鋭い深読みには驚かされる。思わず、自分の拙い読解力の反省を促される次第。幅広い人気の大きな理由の一つとしてはやはり明晰さを欠いた、暗示的だが常に未解決で終わる「謎撒き」要素があるのだろうと思う。たしかに現代的な神話とも言えるのかも。2014/05/23

服部

9
『国境の西、太陽の南』に関する指摘は面白かった2021/11/28

武夫原

9
村上春樹の作品は、至る所謎だらけ。だけど、村上春樹自身の頭にある小説で書こうと思っているエッセンスはぶれがないようなので、そのエッセンスに気がつくといろんな作品解釈ができますよ、と言う本でしたね。そういう風に読むこともできるし、さらりと読むこともできるのが読書なので、どういう風に読めばいいのかなんてことは意味がない。けど、こういう本を読むのも自分は結構好きです。2015/10/24

こばちん

7
村上春樹の解説本。長編小説それぞれについて、著者の解釈やらどう読むべきかを説いています。この手の本は初めて読んだけど、う~ん、どうなのかなぁ。どーでもいいんじゃない的な感じ。結局どう解釈するかは個々読者の勝手でしょ。まぁ、面白くはあるけど、立ち読み&拾い読みで充分かと…。2014/07/08

酩酊石打刑

7
もう10年前くらいの前の、AERA Mook『村上春樹が分かる。』で、この著者の『世界の終わりと、ハードボイルドワンダーランド』に関する評論を読んで興味を引かれた。それで、この本の読書となった。<「上手く説明できない」ことを語るために、村上春樹の小説のスタイルは築かれてきた。>(P165)春樹ワールドの冒険ガイドブックとしては、なかなか興味深い示唆に富んでいる。この手の本にありがちな、妙な押し付けがましさが少ないところがいい。2013/12/29

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