朝日文庫<br> 松田聖子論 (増補版)

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朝日文庫
松田聖子論 (増補版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 221p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022646781
  • NDC分類 767.8
  • Cコード C0195

出版社内容情報

70年代の象徴・山口百恵のアンチテーゼとして80年に登場した松田聖子。二人のデビューの背景、衣装、歌詞、結婚観などを分析し、50歳となった今もなお女性たちを惹きつける「松田聖子」を読む。『結婚の条件』の小倉千加子が、二人の傑出したスターを通して現代女性の生き方について鋭く考察するフェミニズム入門書にして、徹底的な検証に基づくエンターテイメント・超アイドル論!
【目次】 ※変更することがあります
◆まえがき
◆第1章 二人のわがままな主婦
不気味なエッセイ――『青色のタペストリー』/対立する二人の聖子/ブリッ子聖子の芝居っけ/化粧に対する感情/「魔」を眠らせた百恵/大きな賭けのできる男性/対照的な出産
◆第2章 青い果実の熟成――山口百恵の軌跡
ズドンとそこに立っていた/アイドルが認知された年/スター誕生/『青い果実』になる幸福/『ひと夏の経験』――百恵の対抗同一性/「愛する人」というブラックホール/〈せつなさ〉か〈不条理〉か――『横須賀ストーリー』/性欲を自覚した女――『イミテイション・ゴールド』/女と男のバランス・オブ・パワー――『プレイバックPart2/
悪女の帰郷――『秋桜』/『いい日旅立ち』――終わっていく百恵
◆第3章 翼の生えたブーツ――松田聖子の正体
「はい、何でも歌えます」/たったひとつの空き部屋/少女趣味の復活/「風」と「街」の詩人・松本隆/風は日本的情緒を遠ざける/フォークとロックの狭間で/「ぼくときみ」のラブ・ソング/耳で聴く少女漫画の世界/聖子は和製ロックの落とし子である/百恵は農村、聖子は都市/どこにもない場所/気の弱い彼/欲望するストイックな少女/少年愛のメッセージ/強引な男の劣等感/近代家族の退屈/「ママのようなつまらない生き方」/システムとしての松田聖子
◆第4章 あなたに逢いたくて――33年目の松田聖子
娘に依存する母親/日本を背負った聖子/AKB48と異なる点/民的歌手になる日
◆あとがき  文庫版あとがき

内容説明

70年代の象徴・山口百恵のアンチテーゼとして80年に登場した松田聖子。二人のデビューの背景、衣装、歌詞、結婚観などを徹底的に分析し、今なお女性たちを惹きつける「松田聖子」を読む。同時に現代女性の生き方について鋭く考察する、エンターテインメント・アイドル論。

目次

第1章 二人のわがままな主婦(不気味なエッセイ―『青色のタペストリー』;対立する二人の聖子 ほか)
第2章 青い果実の熟成―山口百恵の軌跡(ズドンとそこに立っていた;アイドルが認知された年 ほか)
第3章 翼の生えたブーツ―松田聖子の正体(「はい、何でも歌えます」;たったひとつの空き部屋 ほか)
第4章 あなたに逢いたくて―東アジアの女系家族(五十歳の結婚;娘に依存する母親 ほか)

著者等紹介

小倉千加子[オグラチカコ]
1952年大阪府生まれ。評論家、心理学者。早稲田大学大学院文学研究科心理学専攻博士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ネギっ子gen

11
『持続可能な魂の利用 』を読んで、著者名も含め想起したのが、この本。でも、この読メの過去レビュー読ませて頂いても、誰もこの本に言及していない。もう昔の人なのかなぁー。わたしは、(批判はありましたけど)『セックス神話解体新書』など、面白かったけどな……。<この本はフェミニズムのパロディ本でもある。性はもともと胡散臭いものだ。その性から出発したはずのフェミニズムが、胡散臭さを嗅ぎ取る嗅覚を捨ててしまったら、フェミニズムはピューリタンたちの殿堂と化してしまうだろう>と。このような書き方するところが、好きです。⇒2020/12/03

オサム兄ぃ

6
昨年読んだ「醤油と薔薇の日々」の一見下世話な話題から鋭く世間と切り結ぶ論評が面白かったので、著者作品を遡って手に取った。<翼の生えたブーツ>で80年代を駆け抜けた松田聖子を分析することで、時代と女性をフェミニズムとそのパロディーの視点から語る手法はお見事。時代を代表するアーティストたちが作り上げたコンセプト、<風のある風景><色彩の氾濫><どこにもない場 所><気の弱い彼><ママへの裏切り>は、今も切なく、懐かしく感じるのは彼女のデビューと高校入学が重なる世代故だろうか。2014/01/30

こもれび読書録

1
著者は心理学者であり、「あとがき」にあるようにこの本はフェミニズムの本である。タイトルは「松田聖子論」となっているが、中味の半分は「山口百恵論」でもある。やはり、松田聖子を語る時、山口百恵は切り離せない存在なのかもしれない。フェミニズムの立場から聖子的生き方と百恵的生き方を比較するのと同時に、二人が歌ってきた歌の歌詞や、楽曲を提供した作詞家・作曲家との比較も味わってください。PB2023/09/17

つみれ

1
「赤いスイートピー」の「翼の生えたブーツであなたと同じ青春走ってゆきたいの」って聖子ちゃんに見つめられながら言われてえよな…ってなって大好きなんですけど、「ちょっぴり気が弱いけど素敵な人だから」と言われる自分についてかなり見方が変わったな。▼存命の人についてこんだけ性がどうとか考察すんのグロ…と戸惑ったんですけどアイドルとはグロいもんな。2021/05/10

Gen Kato

1
歌詞の解釈、論の展開、ともにかなり強引なのは、作者自ら「パロディ」と言っているから、計算づくでしょう。つくづく「聖子ちゃん」は80年代を体現した「アイドル」だったんだなあ。2016/12/01

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