朝日文庫
悪人〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 275p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022645241
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報


※上巻はこちら

内容説明

馬込光代は双子の妹と佐賀市内のアパートに住んでいた。携帯サイトで出会った清水祐一と男女の関係になり、殺人を告白される。彼女は自首しようとする祐一を止め、一緒にいたいと強く願う。光代を駆り立てるものは何か?毎日出版文化賞と大佛次郎賞を受賞した傑作長編。

著者等紹介

吉田修一[ヨシダシュウイチ]
1968年長崎県生まれ。法政大学経営学部卒業。1997年「最後の息子」で第84回文學界新人賞を受賞し、デビュー。2002年『パレード』で第15回山本周五郎賞、「パーク・ライフ」で第127回芥川賞、2007年『悪人』で第34回大佛次郎賞、第61回毎日出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yoshida

319
下巻も一気読み。佳男が佳乃の殺害現場を訪れる、佳乃に逢う場面。映画でも良かったが原作でも良かった。佳乃の殺害事件をきっかけに、祐一、光代、祐一の祖母、佳乃の両親がそれぞれの人生を再び歩み始める。本当に人を愛することを知り、少しでも一緒に居たいと望む祐一と光代。佳乃を峠に置き去りにした増尾へ復讐に行く佳男。バスの運転手に励まされ、健康食品の悪徳業者と立ち向かう祖母。増尾は最低だと思う。佳男と増尾の対決「あんた大切な人はおらんね」。祐一の祖母の、祐一の味方であり続ける決意。自分の大切な人達を思い返す。傑作。2015/03/05

☆ぉりん☆

315
誰が悪人なのか?誰も悪くない。ラストも予想外で悲しすぎて…。「悪人だったんですよね?一人で舞い上がってただけなんですよね?」そんなことあるはずないのに、ちゃんと愛し合ってたのに、相手を想うが故の行動、理解されないのに…報われないよね。ちゃんと言葉で、態度で、伝えないといけないって感じた。2011/09/19

にいにい

297
上下巻一気読みだ。下巻は、殺人事件の真相に触れながら、祐一と光代の純愛的な流れが好きだな。そこに二人の生い立ちや祐一の祖母、母の生い立ちも重なる。下巻を3分の一程度読んだところで、あ、これ、テレビで放映された映画見たんだと思い出した。映画は、それほど印象強くなかったんだ。殺人前後と喫茶店、それに灯台周りのシーンしか思い出さなかった。吉田修一の登場人物の内面に迫る描写が読むことで膨らむ。この作品は、読む方が僕には合っていたんだろうな。「渓谷」が少し上かなけど、これも読む価値が高い作品だった。人の寂しさ。2014/06/24

抹茶モナカ

263
大学生の頃に人妻と不倫した挙句駆け落ち騒動を起こした僕自身の青春を読んでいて思い出した。ある点では僕は祐一であり、別の点では光代だったように思う。今でも苦い思い出。小説の方は、逃避行の様子はよく書けていて、感心した。本当の悪人は誰なのか。両方が被害者にはなれない。馬鹿にされたくない。いろいろな気持ちの詰まった小説で、下巻に入って深度が増した。下巻でグッと来た感じ。2016/05/18

mura_海竜

229
娘、佳乃を亡くした父、石橋佳男。娘の死亡前に娘を蹴り飛ばした、増尾にスパナを持っていったけれど、結局何もしなかったこと、また祐一の祖母、房枝が警察から逃げ回る祐一に手本となるような勇気のある行動、心が揺れた。現代は生き急ぎの人が多く、即効性のあるものを求める人が多い。「今の世の中、大切な人もおらん人間が多すぎったい」。大切な人もおらんのでは無く、いるのだけれど感じられないのだ。本当の幸せというのは実感が薄いが、なくなると分かるもの。大切な人(自分を普段みてくれている人)のありがたさを感じる話だった。2018/09/08

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