朝日文庫
梅原猛の授業 道徳

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  • サイズ 文庫判/ページ数 303p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022644114
  • NDC分類 150.4
  • Cコード C0195

内容説明

日本の教育には道徳が必要である、と常々感じている著者が、自ら中学校に出向き、道徳の授業を行う。教育勅語への批判から、儒教や仏教をはじめとする宗教、夏目漱石や宮沢賢治の作品、そして生きとし生けるものを題材に、道徳とは何かをやさしい言葉で説く。

目次

いま、日本の道徳はどうなっているか
明治以後の道徳教育はどうなったか
道徳の根源をどこに求めるか
自利利他の行と仏教・キリスト教
自利利他の道徳と社会 家族・会社・国家
第一の戒律 人を殺してはいけない
第二の戒律 嘘をついてはいけない
討論 『よだかの星』と『坊っちゃん』
第三の戒律 盗みをしてはいけない
人生をよりよく生きるために(1)努力と創造
人生をよりよく生きるために(2)愛と信
人生をよりよく生きるために(3)感謝と哀れみ

著者等紹介

梅原猛[ウメハラタケシ]
1925(大正14)年、仙台市生まれ。京都大学文学部哲学科卒。立命館大学教授、京都市立芸術大学学長、国際日本文化研究センター所長などを経て、現在、同センター顧問。日本ペンクラブ会長も務めた。仏教伝道文化賞、NHK放送文化賞などを受賞。文化勲章受章。著書に『隠された十字架』(毎日出版文化賞)、『水底の歌』(大佛次郎賞)、『ヤマトタケル』(大谷竹次郎賞)など多数あり、二期にわたる『梅原猛著作集』(第一期・集英社、第二期・小学館)にまとめられている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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大先生

11
名著だと思います。人間に必要な道徳は①個人における徳として努力と創造、②社会における徳として愛と信頼、③永遠絶対なものに対する徳として感謝と哀れみ(+畏敬の念)であると分かりやすく整理しています。特に③は、持続可能な社会や環境問題が喫緊の課題となりつつある二十一世紀の道徳に必須ですね。中3を対象にした梅原先生の道徳の授業を書籍化したものですが、大人こそ読むべきかと。梅原先生は、宮沢賢治の「よだかの星」(殺し合いの世界に絶望した鳥が菩薩になる話)を絶賛していますが、中3にはなかなか理解できなかったようです。2021/09/13

大先生

7
再読。中学生向け授業を書籍化したものですが、やはり名著ですね。【①個人における徳として努力と創造、②社会における徳として愛と信頼、③永遠絶対なものに対する徳として感謝と哀れみが必要。これら道徳の根本は母性愛ではないか?】という内容ですが、説明が非常に分かりやすい。その上、③のところでは、【われわれの現実の心身のなかに、(過去と未来に)実は二つの永遠を宿している】なんてカッコいい解説もあります。2022/07/19

Abdiel

3
京都の洛南高等学校附属中学校で、梅原氏が受け持っていた「宗教」の授業内容を書籍化したもの。「宗教なくして道徳はない」と、仏教をはじめ、儒教、神道、キリスト教など、様々な宗教から生まれてきた道徳を説く。「家庭の愛と職場の信」の話が特に印象に残った。2008/07/25

まじょるか

1
戦前の教育勅語は義務の面が強すぎてよくなかったが、戦後の道徳教育の希薄化にも問題を感じていた著者が洛南中学で行った道徳授業。特に「創造力」を徳目に挙げている点が印象的。型破りな学者らしい。2015/04/14

Tomoko

1
小学校の授業の中に「道徳」はあった。が、しかし何を学んだのやら…。こんな授業を受けていれば、世の中のあんな事件やこんな事件も起きなかったのではないだろうか。2015/04/06

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