朝日文庫
吉本隆明「食」を語る

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  • サイズ 文庫判/ページ数 286p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022644091
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

好物は東京下町のレバかつ、スズメ焼き―。「戦後最大の思想家」は何を食べ、何を思い、どのように生活してきたのか。「食いしん坊」を広言する著者の食べ物への愛着と、生い立ち、人生、文学、思想が縦横無尽に語られる。飾らない人柄と深遠な思想を垣間見る、著者の魅力あふれる一冊。

目次

1 戦前―幼少時代(月島の表長屋で誕生;吉本家の食卓 ほか)
2 戦中~敗戦―米沢高等工業学校時代(自然と時間との出会い;ナンパ、悪酔い、果樹園荒し ほか)
3 戦後―サラリーマンから物書きへ(食いつなぐために;就職、組合活動の鬱屈 ほか)
4 家庭生活をめぐる料理考(同棲・新婚時代;子どもからのマンネリ批判 ほか)
5 老年を迎え、今、思うこと(溺死未遂の全容;身体と精神 ほか)

著者等紹介

吉本隆明[ヨシモトタカアキ]
1924年東京・月島生まれ。詩人、思想家、評論家。東京工業大学卒。詩人として出発し、54年『転位のための十篇』で荒地詩人賞を受賞。一方で思索・言論活動を幅広く展開し、日本の戦後思想に大きな影響を与えた。著作に『言語にとって美とはなにか』(勁草書房)、『共同幻想論』(河出書房新社)、『心的現象論序説』(北洋社)など多数。2003年『夏目漱石を読む』で小林秀雄賞を、『吉本隆明全詩集』で藤村記念歴程賞を受賞

宇田川悟[ウダガワサトル]
1947年東京生まれ。作家。早稲田大学政治経済学部卒業。フランスの社会や文化、食文化に詳しい(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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ネギっ子gen

28
ばななさんの父親にして、戦後最大の思想家・詩人は、何を食べ、何を思い、どのように生活してきたか。聞き書きで、隆明氏の人生・文学観・思想が縦横無尽に綴られる。解説は道場六三郎氏。『料理の鉄人』にも言及し、<僕がああこの人いいなあって思ったのは、あの人、作りながらふっと考えついたことでもって、スッとそういうふうにしちゃう、そういうのが僕らで言うと詩の作り方と似ているんですね。手を動かしていて、文字を書いているうちに、あっと思いつく。それは、やらないと思いつかない>と。文学ってのも、結局、手で考えるですかね。⇒2020/05/22

おなかム

0
自伝的な印象。読みやすかった 彼の最後の言葉は何だったんだろう。2012/03/26

チカ

0
正直な感想としては、「食を語ってないじゃん!」というところ。吉本氏の幼少時代から老年を迎えた今までを食を観点としてたどっていく読み物で、断片的に吉本氏が食について話すことはあっても語ってはいない。聞き手の宇田川悟氏が無理やり食の方に話を持っていっている感がある。しかしもちろん吉本隆明という人を知るにあたってはよいとっかかりになるだろうし、年代記としても楽しめる。人生の転機の後、食に対する姿勢が変わったのでは?と聞かれ、特に変わらないとあっさり返すところが、個人的にはとてもよろしい。2010/02/15

つれづれ

0
「食」というより、食を絡めつつ「人生」を語ったもの。「食うこと」は大好きだけど「食うもの」についてはそれほどこだわりがないようだ。吉本隆明という「人」(「ばななパパ」としてでも)に興味があるなら面白い。2008/06/28

bittersweet symphony

0
宇田川悟(1947-)さんはフランスの食文化をメインフィールドにした文筆家の方。本書は宇田川さんによる吉本隆明(1924-2012)さんへのインタビュー、吉本さんの生涯を時系列的に聞き手の得意分野である「食」にまつわる話を中心に進めるつもりが、当然といえば当然の事ながらその件についてはたいした分量とならず概ね人生論と文化論に落ち着いているといった内容。2013/06/17

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