朝日文庫
天地有情

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  • サイズ 文庫判/ページ数 249p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022643988
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

医師であり、芥川賞作家の著者は、終末期医療と小説執筆の両立に疲弊し、パニック障害、うつ病に。10年近くかけて不調な心身になじんでゆく道程、ただ生きていることの喜びや哀しみなどを抑制の効いた文章で綴る。辛い季節を通り抜けたあとの、穏やかな気配があふれる珠玉のエッセイ集。

目次

根を失った百年
信州人の選択
天地有情
厳寒の日
ふるさとの裏山
パニック障害とつきあって十年
東京の過剰な灯り
喜劇の鉄槌
本を読む元気
小説の背景としての故郷〔ほか〕

著者等紹介

南木佳士[ナギケイシ]
1951年群馬県生まれ。77年秋田大学医学部卒。89年『ダイヤモンドダスト』で第100回芥川賞受賞。現在、長野県佐久市在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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piro

23
雑誌などに掲載されたものを集めたエッセイ集。医師と作家の二足のわらじを履きつつ、パニック障害や鬱病で苦しんだ南木さんだけに、もっと重く響く内容かと思いきや、淡々と穏やかに語られ、いい意味でサラリと流れていく様でした。でも患者さんや親しい人々の死、ご自身の病気の苦しみなど、生と死を常に感じる文章が沁みます。信州や上州の山里、そこで倹しく暮らす人々、そして故郷への少し屈折した愛情と郷愁。こういったものが南木さんの小説のベースになっているのでしょう。小説の空気感をそのまま感じられるエッセイ集でした。2019/09/19

Willie the Wildcat

19
自分に向き合い、問いかけ、再発見。心身に添う何かに取り組む。著者の場合、それが執筆。心情の吐露。曝け出すことの難しさ。故郷への想いの強さが印象的。故の『阿弥陀堂だより』。一度読んでみよう!家族への想いを感じる「父への手紙」。共感。自分の父が頭に浮かぶ。親孝行しないとなぁ・・・。蛇足だが、「くさめ」?恥ずかしながら謂れをググる。(汗)日本語は奥が深い・・・。2013/11/10

まつ

4
確か読むのは二度目なのだが、いつ読んだのかは定かでない。最近小説読んでないなと思いながら、「貧しき人々」を途中放棄して、読みやすいエッセイ集を引っ張り出した。そして、大いにリラックスした。南木さんの「阿弥陀堂だより」という小説が2003年に映画化されていることを知って、YouTubeをさがしたが無料の動画では映りが悪かったので、見ることはやめた。あと、エッセイ集のなかの「開高健、その過剰なる語彙」と「ヨセミテ国立公園」は前に読んだ記憶がなかった。《大森荘蔵、エピクロス、開高健、芥川龍之介、深沢七郎》2018/04/27

ジュースの素

1
いろいろなメディアに掲載した文を集めたものなので、内容に重複がとても多い。 自分が鬱病にかかった経緯とかその時の心境が何度も記されている。 医者とは白衣を着て颯爽と胸を張って歩くカッコ良さを想像していたようだが、大きく違った!と書かれている。 医者の仕事を見るにつけ それは実感として身を持って想像できる。うつになるのに一番近い仕事ではないのかとさえ思えてくる。2014/10/12

ぱーむ

1
バニック障害とうつ病を発症した後に書かれたたくさんのエッセイ。 とても謙虚な文章が、優しく染み込んでくる。 ゆっくりと、読ませていただきました。2013/06/09

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