朝日文庫
上野千鶴子が文学を社会学する

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  • サイズ 文庫判/ページ数 295p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022643193
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0195

内容説明

あの『男流文学論』で文壇に賛否両論の渦を巻き起こした著者が、再び文学に目を向けた文芸評論集。明治期からの文体の変遷をたどる「ことば」の章、『恍惚の人』と『黄落』から、老人介護文学の中の性差を追究した「おい」の章など、『男流文学論』のその後も加えた、刺激的な文学論。

目次

ことば(平成言文一致体とジェンダー)
おい(老人介護文学の誕生)
おんな(女装した家父長制―「日本の母」の崩壊;江藤淳の戦後 ほか)
うた(うたの悼み―『斎藤慎爾全句集』に寄せて;うたの極北―俳人尾崎放哉 ほか)
こころ(癒し手とは誰か―『霜山徳爾著作集』に寄せて;ベッドの中の戦場―河野貴代美『性幻想』 ほか)

著者等紹介

上野千鶴子[ウエノチズコ]
1948年富山県生まれ。京都大学大学院社会学博士課程修了。東京大学大学院人文社会学研究科教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kaoru

4
今までにない、面白い視点をお持ちの方なんだなと思う。一気に読んだ。2023/10/21

skr-shower

4
フェミニズムもジェンダーも、男女どちらが語ってもバイアスがかかっている。男が書く男のための文学のなんと多いことか!何か納得のいく文学が増えますように。2018/09/14

ななっち

3
マルクスを読めば共産主義を理解するというよりは資本主義の問題とは何なのかを学ぶことができ、上野千鶴子を読めば女性の権利云々を理解するというよりは今現在の女性を通じた社会の問題が見えるような気がします。文学史は作家の経歴や歴史的な位置づけを学ぶ感じですが、「社会学する」とあるとおり、文学を社会学の視点で切り込んだというところで、いろんな視点で見える言説というのがあって面白いですね。また上野千鶴子が俳句や短歌について語る視点も上野千鶴子の視点を読み解くようで刺激を受けました。2011/12/08

396ay

1
駒場。なかなかおもしろい。この人なんでもできるんだな。以下はメモ。2021/05/30

Mizuna

1
日本語を仕事にする者として、「平成原文一致体とジェンダー」の章の自称詞の話は興味深く、引き込まれた。「ことば」「おい」「おんな」の章まではぐいぐい読んだのだが、後半「うた」と「こころ」の章を読みこなすには、私自身の教養が足らず。とはいえ、あとがきと高橋源一郎さんの解説は、どちらも心に響いた。本書に出て来る「恍惚の人」「黄落」「抱擁家族」「成熟と喪失」などは、世代的に未読なので、読んでから本書を再読してみたくなった。2020/07/25

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