出版社内容情報
【文学/随筆】38歳で乳がんと診断されてから、なぜか心身ともに健やかになっていく……。頑張らない闘病体験を、『世界屠畜紀行』の著者がつづる。働き盛りの女性に贈るオンナのカラダとココロの不思議に迫るエッセイ。講談社エッセイ賞受賞作。島村菜津との対談も収録。
内容説明
乳癌と診断されてから、なぜか心身ともに健やかになっていった自らの闘病体験を、ベストセラー『世界屠畜紀行』の著者がつづる。働き盛りの女性に贈りたい、オンナのカラダとココロの不思議に迫る新境地エッセイ。講談社エッセイ賞受賞作。
目次
1 持病の歴史(腰は痛いものなのだ―腰痛;痒の苦しみ―アトピー性皮膚炎 ほか)
2 そして、癌ができた(貧すれば病みつき、病みつけば貧する;とにかく慣れろ、慣れるしかない入院手術生活 ほか)
3 ようこそ副作用(不快が一杯!痒くて痛くて暑くてうるさい;絶不調、ほどけるように眠りたい ほか)
4 乳腺全摘出、そして乳房再建(ホルモン療法ギブアップ宣言;煮えろ!!ゼンテキ決定前夜祭 ほか)
そして現在
著者等紹介
内澤旬子[ウチザワジュンコ]
1967年神奈川県生まれ。文筆家、イラストレーター。2011年、『身体のいいなり』で第27回講談社エッセイ賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
422
ジャケットの全裸のイラストとタイトルを見ると、官能小説のようにも見えるのだが、よく見ると何か少し様子が変だ。しかも著者は『世界屠畜紀行』の内澤旬子。実は著者自身の乳癌をめぐる一種の闘病記だ。一種のというのは、これが通常の闘病記からは大きく一線を画すからである。ヨガ等によって癌にかかる以前よりもむしろ元気だという。もっとも、この著者は幼少期からアトピーをはじめ様々な病気に悩まされてきたのであるが。「乳腺全摘出、そして乳房再建」は、やはりなんだか痛々しい。たしかに女性の執刀医が増えてほしいだろう。2020/03/28
小梅
108
内澤旬子さん初読みでした。色んな場面で「あ〜そうだよね」と心の中で共感してました。とにかくヨガを始めたくなりましたので、通いやすいヨガ教室を探したいと思います。内澤旬子さんの作品は既に3冊積んであるので読んでいきます。2014/11/11
ゆいまある
94
内澤さんの転機となった本。いつも体調の悪いイラストレーターが乳癌になる。お金はない、仕事もない中、ヨガを始め、結果今までより健康になる(その後離婚して小豆島に移住し、猟をしながらヤギを飼うぐらい丈夫になるのだが、それは後の物語。この時点ではまだ虚弱な内澤さんが存在している)。大した病気じゃないと書いているが、繰り返される手術に死を覚悟し、配偶者との不仲も相まって非常に気の毒な状態になっている。夫と医者の対応が兎に角悪いんだが、抗議する気力も無かったんだな、内澤さん。身体の管理、大事(と寝ながら打つ)。2020/12/29
chiseiok
53
著者生まれつきのの不安定な健康状態と、その上で罹患した乳がんとの向き合い方。その語り口に余分な湿気は全く無し、闘病記と言うよりは観察記録。読んでる自分の過去状況と重なる部分もあって、単純に面白い…というのとはちょっと違って引き込まれて読んだ。いや、自分自身は(ガンマGTP数値以外w)至って健康なんですけどね。徹底して自分自身を俯瞰して、起きてる状況とその状況ごとの精神状態を無添加無着色で飾ること無く語るスタンスが良くて、淡々としてるが故にがっつり沁みる。著者が泣いたところでそのまんま自分も涙腺緩みました。2021/05/10
はちてん
49
冷静なのか自己中心的なのか(笑)著者が乳ガンを発症して以後なぜかどんどん健康になってしまうという内容。ヨガに始まった身体改善。印象的なのはガンそのものより治療費や仕事のことばかり気にしていること。これがかえって精神衛生上よい結果だったのかも。『病は気から』は真実かもしれない。自分のガンを気にしてる余裕がないってスゴくいいね。治療に関しては古い情報になると思う。好きなことやって一生懸命稼いでクヨクヨしてる場合じゃないのね(笑)表紙イラストが小気味良い。2015/12/02