朝日文庫
続 閑人生生―平成雑記帳2009‐2011

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  • サイズ 文庫判/ページ数 290p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022617149
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

私たちは、喪失の悲しみとともに生きてゆく―。東日本大震災、都知事選、普天間基地問題、北朝鮮問題、政権交代、裁判員裁判…。グローバル化した現代社会で起こる様々な事件、政治、社会問題に鋭い直観と深い洞察で斬り込む。「AERA」連載の文庫オリジナル第2弾。

目次

登山ツアーを「登山」と勘違いする
「息ができないような雨」危険予測はもう通用しない
成人年齢は十八歳に引き下げられるのか
裁判員裁判はまるでショーのようだった
理想の結婚相手ではない。でも他の人よりはまし
土埃ばかりの国でも選挙があった
政権交代の後を考えてめまいを覚える
厚労大臣は英雄気取りだが、国は無策だった
二日間で結審した裁判員裁判への違和感
政治に国民の関心が集中する光景は見たことがない〔ほか〕

著者等紹介

高村薫[タカムラカオル]
1953年大阪市生まれ。作家。国際基督教大学教養学部卒。専門商社退社後の90年『黄金を抱いて翔べ』で日本推理サスペンス大賞を受賞しデビュー。93年『リヴィエラを撃て』で日本推理作家協会賞(長篇賞)、『マークスの山』で第109回直木賞、98年『レディ・ジョーカー』で毎日出版文化賞、2006年『新リア王』で親鸞賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ぐうぐう

18
『閑人生生』の続編。2009年8月から2011年4月までの時評。が、だ。汚職、米軍基地、格差、政治家の資質、異常気象、そして震災と、これは今年の時評ではないかと疑いたくなるくらいに問題に変わり映えがない。つまり、日本を覆う、その停滞感こそが問題だと言うことだろう。しかし、2009年9月の総選挙で、変化を希求しての政権交代の痛手としてのトラウマが、日本人にはまだ深く刻まれていて、ゆえの先の参院選の結果だったことは明白だ。(つづく)2016/07/18

ichiro-k

14
政治の時事評論が多い。「この軽い政治屋どもを選んだのは、民度の低いわが国の民」という感想を持つ。世の中、政治も経済も後手にまわり閉塞感が蔓延している。このごろでは、「資本主義や民主主義」がいき詰まり、時代が戻ったように「重商主義や独裁主義」がジワジワと幅を利かせている。もっとも、目先の利益ばかりを追い求めてきた結果だから「自業自得」2012/01/03

RED FOX

10
アエラのコラムらしい。自民党の下野、民主党の躍進、そして鳩山総理の退陣、菅総理の消費増税・・・からの東日本大震災発生、までの時代。高村さんの冷え切った怒りに毎週しびれます。3.11前なのに、書かれる提言や不安への指摘が、キタる日を知っていたようで不気味です。2014/07/13

浅香山三郎

9
『AERA』連載の2009年8月~2011年4月のエッセイ。89本の各1300字ほどの文章だが扱ふ話題が政治や社会問題なので、結構読んでゐると疲れる。疲れるといふのは、つまらないのではなく、高村さんの舌鋒が鋭く、為政者のみならず、自身を含めた国民に対する警句を多く含むからである。読み手も暗澹たる気分になつてくる。しかし、かうした本が、過去を忘れやすい我々に苦い薬として作用するのは、悪くない。特に3.11直後の原発や日本への直球の警句は、今あの地震の教訓を思い出す意味で、読んでおいてよかつたやうに思ふ。2016/05/08

KAZOO

8
この人が書いている時評はかなり辛口であると感じています。このような言い方はいけないのでしょうが、女性としては一番でしょう。桜井さんよりももっとズバッと切り込んできます。このような人の時評をもっと取り上げてもいいのではないかと思っています。2013/02/03

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